SUPER TAIKYU

RACES ARCHIVE 2013

REPORT

予選レポート

GT-R旋風吹き荒れた予選。フロントローを独占

1分20秒台に突入したGT3クラス
PPは初登場のGTNET GT-Rが獲得

 スポーツランドSUGOで幕を開けた、スーパー耐久シリーズ2013。その予選が4月20日(土)に行われた。前日に行われた練習走行では、GTNET ADVAN NISSAN GT-Rがトップタイムをマーク。1分21秒383はスーパーGTのGT300レコードタイムをも上回っており、その他にも3台が1分22秒台を記録しているだけに、3年目のGT3クラスには、よりヒートアップの予感が十分だ。

 その練習走行では強い風が吹き、なおかつ気温も低かったこと、さらに2回目のセッションでは馬の背からSPコーナーに激しくオイルが撒かれていたことから、コンディションは決して良いとは言い難かった。しかしながら、予選は路面状態も向上、気温は13度、路面温度は22度と程よくなっており、練習走行のタイムも上回ることが期待された。

 午後1時に予選開始。まずはAドライバーのセッションが、GT3クラス、ST-1クラス、ST-2クラス、そしてST-3クラスによる第1グループから開始された。同時に23台が走る状態とあって、なかなかクリアラップがとれずにいる中、2周目のアタックで21秒台に入れたのは、#28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3の片岡龍也、そしてスリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢だった。

 片岡のタイムは21秒073にまで達しており、これで決まりかと思われたものの、終了間際にGTNET ADVAN NISSAN GT-Rの青木孝行が20秒910をマークしてトップに立つ。一方、連覇を狙う#1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3の谷口信輝は、終始クリアラップを取れず、21秒857をマークするのがやっとで4番手に甘んじてしまう。「イライラMAX。確かにGT-Rは速いけど」と本領を発揮できず、谷口は不満そうだった。

 ST-1クラスで孤軍奮闘のFaust Racing Teamは、しっかり総合8番手につけ、ST-2クラス以下の車両を従える。
そして、総合9番手でST-2クラスのトップは29秒441を記録した、RSオガワADVANランサーの大橋正澄。これにSTURM MOTUL EDインプレッサの大澤学が続く。


 さらにこの2台に割って入ったのが、ST-3クラストップのPETRONAS TWS G350を駆る佐藤晋也で30秒132を記録。クラス2番手には岡部自動車KYOSHIN計測Z33を駆る、ディフェンディングチャンピオンの小松一臣がつけた。

 計測開始から15分後、ST-4クラスとST5クラスによる第2グループがコースイン。ST-4クラスではリジカラS2000の松井猛敏が最初のアタックで33秒109を出してトップに立ち、次の周には32秒606にまで短縮してダメを押すことに。これに続いたのは埼玉トヨペットGB with Revo86の大井貴之だった。

 そしてST-5クラスはラスト5分で、40秒708をマークしたエンドレスアドバントラストヴィッツの後藤比東至がトップ。これにBRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィットの奥村浩一が続いていた。

 15分のインターバルの後、Bドライバー第1グループがコースに続々と入っていく。早々と20秒860をマークしてトップに立ったのは、またもGTNET ADVAN NISSAN GT-Rの星野一樹。だが、その直後にスリーボンド日産自動車大学校GT-Rの千代勝正が、新たなレコードタイムとなる20秒760で逆転を果たす。

 だが、僅差ではあったものの、合算タイムではトップだった、GTNET ADVAN NISSAN GT-Rがポールポジションを獲得する。
3番手は# 28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3。

RSオガワランサーがST-2でまたもトップ

 7台のGT3クラス勢の後には、ST-1クラスのFaust Racing Teamがつけて総合8番手に。そしてST-2クラスでは、このセッションこそ、新菱オート☆DIXCELエボIXの菊地靖が29秒154でトップながら、RSオガワADVANランサーの阪口良平も29秒738をマークし、合算ではトップ。総合でも9番手に。
これに続いたのはSTURM MOTUL EDインプレッサで、クラス3番手、総合11番手を新菱オート☆DIXCELエボIXが獲得した。

B-MAX Zの関口が驚異のタイムをマーク

 ST-3クラスでセッションのトップは、B-MAX日本梱包資材Z33 の関口雄飛がただひとり30秒台を切る29秒458をマーク。ここで2番手につけたTRACY SPORTS IS350の植田正幸にすらコンマ5秒の差をつけたことともあり、合算でのクラストップにもDRAGONとともにつけることになった。
一方、Aドライバーセッションでトップだった、PETRONAS TWS GS350は、続いて走行した吉本大樹が赤旗区間中の追い抜きによってベスト、セカンドタイムが抹消。無念の5番手に甘んじた。
なお、このセッションの終了直前にクラッシュした車両があり、赤旗が出されて終了となった。そのため、第2グループのスタートが遅らせられることに。ラスト5分で再び赤旗が出され、やや波乱の展開となっていた。

 AドライバーセッションでトップだったST-4クラスのリジカラS2000は、中島保典も32秒454をマークして、文句なしのトップに。このセッションの2番手はDIJON IS WAKO’S DC5の太田侑弥で、合算では3番手に。
この2台に割って入ったのは中村嘉宏、浜野彰彦ともに3番手だったSKR ENGINEERING S2000。


 ST-5クラスでも両セッショントップだった、エンドレスアドバントラストヴィッツが堂々のクラス最前列スタートに。40秒064を記録した井尻薫は、2番手にすら1秒2もの差をつけていた。
クラス2番手はBRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィットが獲得。

ポールポジション:#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R

青木孝行

「まさか20秒台に入るとは、ねぇ! こんないいタイムが出るとは。ただ、予選はクリアラップ獲れるか選手権(笑)。運だから、けっこう。でも、GT-Rは1回シェイクダウンしただけでクルマを転がしただけの状態だから、手探りのことが多かったし、僕自身もGT-Rはニュータイヤでアタックするのは初めてだったから、いろんな不安要素はすごくあったんだけど。
ただ、(星野)一樹がいてくれてGT-Rにすごく詳しいので、いろいろな引き出しを持っているから、何となく『こんなフィーリング』と言うと、『こうした方がいいよ』と言ってくれるから、それはすごく助かっています。
決勝は明日、雪? どうしようね、分からないですけど、淡々とミスなく。接触とかないように。初戦なので、僕はそんなに無理するつもりはないです」

星野一樹

「デビューでポール獲れて僕もチームも嬉しいです。尾本(直史)さんと青木さんと僕が復活して、また3人でやれたというのも。個人的にはセッションベストを出したかったのですが、クリアが取れなくてね……。それは本当に難しいから、そこは日頃の行いが悪いのかな、と(笑)。 千代(勝正)は優等生だから。言い訳は別として、次までに必ず見直して。決勝までにはやれること、もう一回準備して。
天気予報が悪そうなのですが、ウェットでもいろいろなノウハウを伝えられると思うので、そういう部分で最善の準備をして、とにかく一番でゴールできるように頑張ります」

 

(はた☆なおゆき)

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