予選レポート
スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが、
レコードを更新してPP(ポールポジション)獲得
韓国・インジェ・スピーディアムが舞台となった第2戦から約2か月、スーパー耐久シリーズの第3戦がツインリンクもてぎで開催されている。7月20日(土)に行われ頼戦の、ポールポジションは、藤井誠暢/千代勝正/GAMISAN組の#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが獲得した。
千代勝正が激走を見せ、レコードタイムが更新。
進化を遂げたインプレッサが、ST-2クラスでトップに!
金曜日には1時間ずつ3セッションの練習走行が行われ、そこでベストタイムを記録したのは、#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。この日は尾本直史と青木孝行が走行し、1分52秒489をマーク。これを予選のターゲットタイムにすることとなった。
土曜日は、サーキット上空に雲こそ浮かんでいるものの、完全に夏模様。暑さとも戦いになった。9時30分からは予選に向け、最後の調整となるウォームアップが行われ、ここでもベストタイム、52秒937をマークしたのは#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。一方、練習走行で2番手につけていた#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは異物を拾ったのか、右リヤタイヤにトラブルが。大事には至らなかったものの、肝を冷やすシーンもあった。
13時40分からは予選がスタート。まずはGT3、ST-1、ST-2、ST-3クラスによる第1グループのAドライバーがアタックに挑んでいく。真っ先に52秒台に乗せたのは、練習の好調ぶりを維持した青木(#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R)。52秒818をマークした後、52秒603に縮めさっそくピットに戻ってくる。しかし、「昨日のタイムをクリアできなくて悔しい」と青木は不満そう。これに迫ったのは#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢で52秒613と、わずかコンマ01秒差だった。3番手は#1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3のメルビン・モーが獲得。
ST-1クラスでは#51 DIAMANGO BMW Z4の余郷敦が2分0秒095で、ST-2クラスでは#59 STURM MOTUL EDインプレッサの大澤学が4秒077で、そしてST-3クラスでは#34 assetテクノZ34の佐々木雅弘が6秒182で、それぞれトップにつけていた。
ST-4とST-5クラスによる第2グループでは、1周だけのアタックで#95 リジカラS2000の松井猛敏が10秒669をマークしてST-4クラスのトップに。そして、ST-5クラスで大躍進を遂げたのが#17 DIXCELアラゴスタNOPROデミオ。助っ人として起用された谷川達也が22秒722をマークしてトップに立ったのだ。
Bドライバーのセッションでは、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの千代勝正が力走を見せた。しっかりとクリアラップを取った後、まずは52秒127をマークしてトップに立ったばかりか、もう1周アタックを重ねて新レコードタイムとなる、51秒976をマークした。これに対して、#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの星野一樹は「クリアラップも取れなかったし、何より自分の走りが信じられなかった」と、52秒665を出すに留まり、2番手に。その結果、藤井と千代とのタイム合算で、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rがポールポジションを獲得することとなった。また、このセッションの3番手は52秒677をマークした#3 ENDLESS ADVAN PORSCHEの峰尾恭輔。タイム合算では5番手となった。3番手はファリーク・ハイルマンとジョノ・レスタがドライブする、#28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3が獲得。
ST-1クラスでは#9 Faust Racing Team Z4がトップ。というのも、#51 DIAMANGO BMW Z4が燃料ポンプのトラブルでBドライバーのセッションを走れなかったからだ。
そして、ST-2クラスでは#59 STURM MOTUL EDインプレッサが、またしてもトップ。吉田寿博が3秒119を叩き出し、文句なしのクラストップから決勝に挑むこととなった。2番手は#20RSオガワADVANランサーが獲得。ST-3クラスでは#39 TRACY SPORTS IS350を駆る佐々木孝太が他を圧する5秒782というタイムをマークするも、合算では3番手に。トップから決勝に挑むのは佐々木、前嶋秀司のドライブする#34 assetテクノZ34だった。そして、これに続いたのは#80 PETRONAS TWS GS350で、トップとの差はわずかコンマ1秒!
第2グループでは、ここでも中島保典がドライブする#95 リジカラS2000が10秒372でトップとあって、タイム合算でももちろんトップに。2番手は#58 ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5が獲得。そして、ST-5クラスでは古宮正信が21秒697でレコードタイムをマークした、#19 BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィットがトップに。2番手は#36 エンドレスアドバントラストヴィッツが獲得し、#17 DIXCELアラゴスタNOPROデミオは3番手に留まった。
なお、金曜日?土曜日には鈴鹿サーキットでスーパーGTの公式テストが行われており、そちらに参加していたC/Dドライバーは、日曜日の朝8時から行われるウォームアップ走行で基準タイムをクリアすれば、決勝レースに出場することが許される。
ポールポジション/GT3クラストップ:#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R
千代勝正
「51秒台というのは僕もビックリしました(笑)。チームがクルマを完璧に仕上げてくれました。それに加えてS耐はクリアラップを取るのが難しいんですが、まわりの状況や前との間隔を、近藤(真彦)監督やエンジニアが的確に指示してくれたので、完璧なクリアラップが取れました。自分もベストな走りができて、GT-Rの持つ力をフルに発揮して、レコードタイムを出すことができて本当に良かったです」
総合9番手/ST-1クラストップ:#9 Faust Racing Team Z4
堀主智ロバート
「余裕のトップです(笑)。いや本当のことを言うと、昨日、接触があって足まわりにダメージを負ってしまったんです。だいぶ直してもらったんですけど、ちょっとしっくり来ていなくて……。決勝はトラブルなく走れるといいですね」
総合10番手/ST-2クラストップ:#59 STURM MOTUL EDインプレッサ
吉田寿博
「予選まではセットアップも決勝重視で進めていて、予選は普通にドライバーを落ち着かせて走ってもらったら、(大澤)学くんも良くて、自分も何とか。けっこう温度が高く、後ろから走るより前から走った方が有利だと思っていたので、何とか一番になりたいという思いが通じたかな。今回は何としてもチェッカーを受けたいという思いが強く、何かあっても直してしまうつもりです。もちろん一番でチェッカーを受けられれば最高なんですけどね!」
総合13番手/ST-3クラストップ:#34 assetテクノZ34
佐々木雅弘
「ずっとセッショントップで来ているので、予選でもキープできて良かったです。たぶん1年ぶりぐらいのポールだと思います。明日はドライバーふたり、協力し合って5時間後にトップで帰って来たいですね。僕らはコンスタントタイムは速いので、決勝の方が強いと思いますよ、それは絶対。ここまでうまくいっているので、引き続き頑張ります」
総合23番手/ST-4クラストップ:#95 リジカラS2000
松井猛敏
「ひとまずトップを獲れて良かったです。昨日、今日の朝のフリー走行まで決勝のことしか考えず、いろいろなプランを用意して、どのような状況になっても大丈夫なように洗い出しをしていました。だからタイムは振るいませんでしたが、予選では出せるという手応えも、実はあったんです。でも、まさかインテグラに勝てるとは思いませんでしたね」
総合37番手/ST-5クラストップ:#19 BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィット
奥村浩一
「今回もヴィッツとの争いになるかと思ったんですが、いつの間にかデミオが来て、三つ巴の戦いになりましたね。見ている方は楽しいと思いますが、やっている方は命がけですよ(笑)。予選前に少しエンジン、トラブルが出て載せ換えているんですよ。それで僕のスティントでバタバタしてしまいましたが、何とか相方が頑張ってくれてポールを獲ることができました。決勝はスプリントみたいな様相で、僅差で推移すると思うので面白くなると思います」
(はた☆なおゆき)