第2戦プレビュー
レコードラッシュは必至! より速さを増した戦いに
路面改修でタイムアップの予感。果たして何秒縮まるか?
スーパー耐久シリーズ第2戦が、5月24〜25日にスポーツランドSUGOで開催される。今回の焦点は、このオフに路面が大改修されたことにより、大幅なタイムアップが期待できそうなことだ。1か月前に行われたSUGOチャンピオンカップの86/BRZレースでは、実に3秒もタイムアップし、極めてグリップする路面にノーマルエンジンのパワーが食われてしまったほど。スリックタイヤを装着するスーパー耐久車両であれば、パワーは食われることはないだろうから、秒単位での短縮はコンディションが悪化しない限り、もう当たり前と言えそうだ。
特にST-1クラス、ST-2クラス、そしてST-3クラスでは久しくレコードタイムが更新されていないため、未知の領域が見えてくるのではないだろうか。気になるのは、これだけ速くなれば、タイヤの摩耗は進み、燃費も悪化するだろう。コーナーの脱出速度が高まれば、最高速も上がるからだ。そういったデータをしっかり積み重ね、分析して戦術にしっかり反映させたチームに栄冠が輝くことは間違いない。
なお、今回のエントリー台数は当初、45台を超えて予選落ちがついに出そうだったものの、その後エントリーを取り消したチームがあったため、44台に留まって2戦連続フルグリッドとはいかなくなった。せめて、もう1台と……と思うのは、もはや贅沢な悩みなのだろうか。
ST-Xクラスは1分20秒を切れるか?
前回は一騎討ちになってしまったST-Xクラスながら、今回はエントリーが4台に。開幕前のテストでトップタイムをマークしながら、クラッシュによって開幕戦の出場を断念したENDLESS ADVAN BMW、そしてGTNET ADVAN NISSAN GT-Rが加わって、より激しい戦いが繰り広げられることになりそうだ。
もちろん、スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが2連勝を狙うのは、間違いないところ。昨年も千代勝正によってレコードタイムを更新した車両だけに、もはや速さに関しては実証済。ちなみに、その時マークされたタイムは1分20秒760。先に秒単位の短縮は可能と予想しただけに、19秒台への突入もあながち不可能ではなさそうだ。
逆にST-1クラスが一騎討ちとなってしまった。前回優 勝のFaust Racing BMW Z4に挑む、KeePer I.P.Sはストップ&ゴーが繰り返されるツインリンクもてぎより、明らかにSUGOの方がマッチしそうなだけに、互角の戦いが期待できそうなのではないか。あとは前回行われた性能調整、ピットストップ1回につき60秒の加算が今回どうなるかにもよるだろう。
RSオガワ、ついにエボXを投入!?
エントリーリストを見て欲しい。ST-2クラスの20号車、RSオガワADVANランサーが「エボリューションX」になっているではないか! 開幕前のテストにも持ち込まれていた車両だが、まだ熟成が十分でないと判断され、開幕戦ではエボIXが使用されていた。その開幕戦はガスケットが抜けて、エンジンが本調子ではなかったこともあるが、ディフェンディングチャンピオンのSTURM MOTUL EDインプレッサに敗れたこともあり、いよいよ小川日出生監督も決断を下したのだろう。従来よりエボXのエンジンパフォーマンスには定評があり、 ストレートでインプレッサに引けを取らない可能性も。新旧チャンピオンチームの対決が、さらに激化しそうである。
ST-3クラスのエントリーは、前回と変わらず。#35 asset ings Z34がセッションすべてトップ、もちろん決勝も……という展開で圧勝となったのは、まだ記憶に十分新しいはずだ。一度調子に、いや勢いに乗ると、前嶋秀司と佐々木雅弘のコンビが止まらなくなるのは、過去の例でも明らか。ライバルチームにしてみれば、何とか勢いを削いでしまいたいところだろう。また前回は決勝でドライブの機会がなかった、ルーキーの廣川和希だが、スーパーFJで磨いた腕を披露することができるか注目したい。
そして、ST-4クラスでは前回、ウインマックスTEINワコーズKRP☆DC5を筆頭に、エンジン自慢のホンダ車が表彰台を独占したが、今回はトヨタ86勢にもチャンスは十分。昨年も予選で4番手に食い込み、高い旋回性能はむしろ長い決勝レースに効きそうだ。
フィット3がデビュー戦にも関わらず、表彰台を独占したST-5クラスは引き続き……となる公算が高そう。 何せノーマルで20馬力ほどの差があるのだ、少なくてもストレートではライバル車両がかなうべくもない。しかし、燃費には優れぬ印象もあり、つけ入るとしたら、その点しかないだろう。戦術 の妙によってヴィッツ、デミオ勢が互角のバトルを繰り広げることを期待したい。
(はた☆なおゆき)