予選レポート
今季初登場のGTNET ADVAN NISSAN GT-RがPPを獲得!
スーパー耐久シリーズ第2戦の舞台は、宮城県のスポーツランドSUGO。5月24日(土)に予選が行われ、前回に引き続きコンディションに恵まれる中、最速タイムは#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢が記録する。しかし、合算タイムでは星野一樹と青木孝行、尾本直史の駆る#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが優ってポールポジションを獲得した。
一騎討ちとなったST-1クラスはKeePer I.P.Sが初のトップに
金曜日には1時間ずつ専有走行が3セッション行われ、ここで最速タイムを記したのは#24スリーボンド日産自動車大学校GT-R。しかし、1分21秒248に留まったのはTシャツ一枚でもいられるほどの気温の高さゆえ。昨年は翌日に雪が降るほど温度が低かったことから、路面の改修による状態の向上を相殺してしまったのだ。
土曜日の午後12時40分から行われた予選は、金曜日以上に温度が上昇。Aドライバーのセッションでは藤井が21秒096をマークし、これに#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの星野が22秒165で続く。そしてBドライバーのセッションでは青木が21秒311でトップ、#24スリーボンド日産自動車大学校GT-RのGAMISANは、#3 ENDLESS ADVAN Z4の峰尾恭輔を挟んで3番手に留まる。その結果、#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rがポールポジションを獲得することとなった。
2台のみの参加となったST-1クラスは、Aドライバーのセッションでは#37 KeePer I.P.Sの中山雄一が28秒866でトップ。Bドライバーのセッションでは#9 Faust Racing BMW Z4の山野直也が27秒420でトップになるが、合算タイムでは#37 KeePer I.P.Sを駆る中山、平川亮、そして畠中修の方が上回ることとなった。
ST-2クラスの合算タイムは、トップ3がコンマ1秒差の大接戦!
ST-2クラスでは、今回から#20 RSオガワADVANランサーがエボXに改めることで注目されたが、金曜日の専有走行では走らせたものの、十分にテストができなかったことから、急きょエボIXに戻されることに。「可能性はすごく感じますよ」と大橋正澄は語っていただけに、次回以降の活躍に期待しよう。
Aドライバーのセッションでは、その大橋が31秒033をマークしてトップに立ち、これに#59 STURM MOTUL EDインプレッサの大澤学が31秒076の超僅差で続く。Bドライバーのセッションも、この2台の争いになるかと思われたものの、#6新菱オートDIXCELエボIXの菊地靖がひとり30秒を切る、29秒747でトップに立つ。そして2番手は#59 STURM MOTUL EDインプレッサの吉田寿博が30秒569で、3番手には#20 RSオガワADVANランサーの阪口良平が20秒632で続く。
その結果、合算タイムでのトップは#59 STURM MOTUL EDインプレッサがトップながら、2番手の#20 RSオガワADVANランサーがコンマ02秒差。さらに冨桝朋広と菊地の駆る#6新菱オートDIXCELエボIXもコンマ08秒差と、かつてなかったほど僅差で上位陣が並ぶことになった。
一方、ST-3クラスでは前嶋秀司、佐々木雅弘ともにトップだった#35 asset ings Z34が、ST-2クラス勢をも従えることに。専有走行までは絶不調を訴えていたものの、早朝に届いたパーツの交換が功を奏することに。前嶋の30秒926を、インフォメーションを授かったことで佐々木が30秒632にまで短縮を果たすことになった。2番手も#35 asset ings Z34が獲得し、テクノファーストレーシングチームが上位を独占することに。
86が上位独占……かに思われたが、#93 SKR ENGINEERING S2000が逆転に成功
ST-4クラスのAドライバーセッションでは、33秒405をマークした#52 埼玉トヨペットGreen Braveの番場琢を筆頭に、一時はトヨタ86勢が上位を独占。多くの車両がピットに戻り、クリアラップが取れやすくなっていた後半にアタックをかけた、#93 SKR ENGINEERING S2000の吉本晶哉が33秒509を出して、2番手につけたことで流れは変わっていく。Bドライバーのセッションでパートナーの太田侑弥が33秒060をマークしてトップに立つと、合算でもトップに躍り出る。
しかし、逆転こそ許したが、番場と服部尚貴がアタックした#52埼玉トヨペットGreen Braveが2番手に、そして#18 Y’s distraction 86、そして#13 ENDLESS ADVAN 86が、その後ろにずらりと並ぶこととなった。
ST-5クラスでは、松井猛敏が38秒807、中島保典が39秒113をマークしてともにトップに立った#95リジカラFIT3が、総合でも37番手に。荒聖治とともに2連勝を目指す。2番手はホンダカーズ野崎with CUSCO & BOMEXが、そして3番手も#99 BRP★J’S RACINGフィット3がつけ、またしてもフィット3勢が上位を独占している。
ポールポジション:(ST-Xクラストップ)#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R
星野一樹
「今まででいちばん嬉しくないポールポジション……。ともかく大問題があり、まったく駄目だったんですが、次のセッションで青木さんが頑張ってくれて、結果としてポール獲れたんですけど、あまりにも僕の走りがね。決勝は大丈夫だと思います。あまりにも欲をかき過ぎて失敗してしまったので、自分の責任です」
青木孝行
「一樹の悔しさがすごく伝わってきたんで、どう慰めようかなと。まぁ、ビッグトライをしたので、その結果ちょっと外しちゃったというだけなんですけどね。僕の状況は、一樹がすごくアンダーステアだったって言うんで、そのセットに対してアジャストしていきました。そしたら、まったく一樹と逆のフィーリングになっちゃったんで、ピットインしてセッティングを……。だから、11ラップも走って、10ラップ目に出したのかな。セッティングをしながら予選を走ったという感じでしたね。さすがに10周走ったタイヤでは、想定していたのは19秒台でしたが、ちょっと無理でした」
総合5番手:(ST-1クラストップ)#37 KeePer I.P.S
中山雄一
「昨日と比べるとグリップしなかったな、って感じでしたね。山野選手が僕のタイムより速かったんですが、向こうは1周しかアタックしていないので、それはどうなのかな、という感じです。もてぎよりハードブレーキのコーナーが少ないので、マシン的にはSUGOの方が走りやすいな、という感覚はあります」
平川亮
「僕も1周だけで、向こう(山野)もあんまりタイム出さずにやめちゃったんで、タイヤ温存という意味でやめようと。もてぎより差はなくて、勝負になるかと思いますし、今回は(ピットストップの)ハンデがないんで、正々堂々とやって今回はみんなが勝つという気持ちになっているので、その気持ちに応えられるよう、頑張りたいと思います」
総合7番手:(ST-3クラストップ)#35 asset ings Z34
前嶋秀司
「今回、本当にヒヤヒヤで、絶対に出ないだろうって感じで行ったけど、意地もあるし、出さないと、というのがあったんで、とりあえず行ってみたんですね。案の定セットはあまり良くなかったけど、この感じだったら踏んでいけば大丈夫だろうという感じで。行かないとタイム出ないんでね、そしたらいいタイムが出ました。ただ、もう一発行っても、もう出なかったですね、全然。で、ピット戻ってきて『こんな感じだよ』っていうのを説明して(佐々木に)行かせてやろうと。ただ、厳しい状況はみんな同じみたいですけどね」
佐々木雅弘
「本当にヤバかったんですけど、チームがすごく改良してくれて、前嶋さんがぶっつけで行って。その後、セットを変えてもらったら、多少乗りやすくなりました。なので、一安心。これでずっと3クラスのずっとトップなので、ホッとしました」
総合8番手:(ST-2クラストップ)#59 STURM MOTUL EDインプレッサ
大澤学
「昨日より路面温度が上がって、かなりマシンがアンダーステア傾向になっちゃって、そこを合わせ切れなかったのが残念でした。でも、結果としてポールは獲れたので、良かったと思います」
吉田寿博
「本当に1ポイントが最後に効いてくる可能性があるので、獲れる時に獲っておこうという意識がいつもあるんですけど、今回はみんな僅差でいい争いをしている中で、予選ポールを獲れたのは本当に嬉しいですね。チームがいろんな細かい作業をやった中での結果なんですけど、本当にチームワークも良くなっているし、決勝を何とかね。たぶん、すごい争いのレースになると思うんですが、コンスタントラップを少しでも速くして優勝できれば、と思っています」
総合19番手:(ST-4クラストップ)#93 SKR ENGINEERING S2000
太田侑弥
「3秒0というタイムは、昨日出ていなかったので驚いています。後半の台数減ったところから出て行ったので、クリアもしっかり獲れました。決勝は淡々と行きます。路面が変わって、けっこうグリップしますね。その分、予選は一発しかないと思ったので、1周で行けて良かったです」
総合37番手:(ST-5クラストップ)#95 リジカラFIT3
松井猛敏
「予定どおりになって良かったです。このコースはコーナリング速度を上げて、スピードを維持するタイプなので、僕らの得意とするところというか、きっちり足を詰めて、タイムをうまく上げられたという、いつも考えていることができました。ただ、決勝はそうは言ってもタイヤが路面改修のおかげですぐ減っちゃうので、いかにいたわって、どれだけいいペースを維持するかが勝敗を分けるポイントになると思うので、決勝のペースはたぶんみんな同じになると思います、どのみち。だから、決勝は油断できないし、僅差になるんじゃないかと思いますので、しまっていきます!」
(はた☆なおゆき)