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RACES ARCHIVE 2014

REPORT

決勝レポート

#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rがポール・トゥ・ウィンで2勝目挙げる

 スーパー耐久レース第4戦の決勝レースが、岡山国際サーキットを舞台に9月7日に行われ、終始好天の中での戦いとなった。ポールポジションからスタートを切った、#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rを駆る星野一樹/青木孝行/尾本直史組は、レースのほとんどを支配して圧勝。第2戦以来となる、2勝目をマークした。

ST-Xクラスのランキングトップに、#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが浮上する

 この週末は何かと天候が不安定だったものの、日曜日になると状況は変わり、特にスーパー耐久の決勝レースは青空に恵まれることとなった。2周のローリングの後、グリーンシグナルの点灯とともに鋭いダッシュを見せたのは、もちろん#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの青木孝行。ポールシッターの意地を見せ、1コーナーにトップで飛び込むと、そのまま徐々に後続を引き離していくこととなる。それでもしばらくの間は、#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢がついていったが、トラブルが直前に発覚し、大事をとって交換したブレーキキャリパーが新品だったため、ペースを抑えざるを得なくなってしまう。そのため、10周目を超えてリードが5秒に広がってからは、完全に青木のひとり旅状態となる。逆に藤井には、#3 ENDLESS ADVAN Z4の飯田章が急接近。抗うことなく、26周目には先行を許すことに。

 50周目に青木から星野一樹に代わると、先に飯田からYUKE TANIGUCHIへと交代していた#3 ENDLESS ADVAN Z4が前に。しかし、星野はじわじわと差を詰め、56周目にはトップを奪い返す。その後は星野が逃げ続け、91周目からの最終スティントは、再び青木が担当。まさに盤石のリレーで、ゴール間際にこそ#3 ENDLESS ADVAN Z4の峰尾恭輔がやや差を詰めたものの、プレッシャーを感じるまでには至らず。#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが逃げ切って2勝目を獲得し、ついにランキングのトップにも立つこととなった。

ST-1クラスの一騎討ちは、#37 KeePer I.P.Sの圧勝に

 今回も一騎討ち状態となったST-1クラスは、予選でもトップだった中山雄一/平川亮/畠中修組の#37 KeePer I.P.Sが、決勝でも#9 Faust Racing BMW Z4の堀主知ロバート/山野直也/佐藤茂組を一歩も寄せつけず。大差をつけて、2連勝を飾ることとなった。



 ST-2クラスは、#20 RSオガワADVANランサーの阪口良平、そして#58 STURM MOTUL EDインプレッサの松田晃司による、激しいバトルから開始された。阪口をぴたりとマークして走行する松田ながら、逆転の決め手は欠いていた。だが、勝負の分かれ目となったのは、#20 RSオガワADVANランサーの最初のピットストップ。大橋正澄に代わってコースに戻ろうとするも、エンジンの再始動に手間取ってしまったのだ。これでとった遅れが最後まで影響を及ぼす羽目に。しかし、#58 STURM MOTUL EDインプレッサにも、冷や汗のシーンが。2回目のピットストップの際に、給油装置の不調からガソリンが吹き出てしまい、そのペナルティとしてピットストップを命じられたからだ。それでも、トップはキープすることはでき、そのまま何事もなかったかのように、チェッカーまで突き進んでいた。

ST-3クラスの#35 asset ings Z34が、開幕から負け知らずの4連勝!

 ここまで3連勝の#35 asset ings Z34を駆る前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組が、予選同様、決勝でも速さを見せた。スタート担当の佐々木が逃げ続け、42周目に前嶋へとバトンタッチ。それからしばらくは燃費に優れ、56周目まで交代を遅らせた、#14 岡部自動車サントラント195マイカーズZ33の伊橋勲にトップを譲ったものの、その後はトップに返り咲いたのは言うまでもなし。なんとか一矢報いようと、安宅光徳と山崎学が必死に追いかけたが、終盤になってリヤゲートが外れる不運が。そのため、オレンジボール旗が出されて予定外のピットストップを強いられてしまう。幸い、ふたつ順位を落とすだけで済んだものの、その間に#35 asset ings Z34に悠々と逃げられてしまう。2位にも大西隆生/藤波清斗/松原怜史組の#34 asset ings Z34がつけて、3戦連続でワンツーフィニッシュを達成することともなった。

 ST-4クラスでも、#41 UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000の植松忠雄/藤田竜樹/寺西レオ組が連勝を果たしている。スタートを担当した藤田が44周目に、続いて走行した植松が86周目までと、それぞれロングスティントで挑んで、他を寄せつけず。最後は再び藤田が乗り込み、そのままゴールに飛び込んでいった。激しかったのは終盤の2番手争いだった。#58ウインマックスTEINワコーズKRP☆DC5の木下淳、#333 GLORY A-ONE FN2の野間一、#93 SKR ENGINEERING S2000の吉本晶哉が連なって走ったのだ。この中から吉本こそ遅れてしまったものの、差は1秒強。木下と野間にいたっては、コンマ089秒という僅差。この2位によって、小林康一/塩谷烈州/木下組の#58ウインマックスTEINワコーズKRP☆DC5はランキングのトップを死守することとなった。

 ST-5クラスでは予選トップだった、#2 ホンダカーズ野崎with BOMEXの山田英二/山下潤一郎/荒井康裕組が、決勝でも引き続き速さを見せていた。まずは山田が逃げて、その後を荒井が受けて、最後はしっかりと山下が守りきることに。必死の抵抗を見せた梅本淳一/奥村浩一/大野尊久の#99 BRP★J’S RACINGフィット3だったが、ピットロード入口での速度オーバーが合って、ドライビングスルーペナルティを強いられることに。これにも助けられ、#2ホンダカーズ野崎with BOMEXが初優勝を飾ることとなった。なお、松井猛敏/中島保典/荒聖治組の#95 SPOON FIT3は、サスペンションの破損によってリタイアを喫している。

 次回のレースは10月25〜26日に、鈴鹿サーキットで開催される。既報のとおり、ST-4〜ST-5クラスは25日に、そしてST-X〜ST-3クラスは26日に決勝が、それぞれ140分間で争われることになっている。新しいスタイルでのレースにも注目されたし。

総合優勝:(ST-Xクラス優勝)#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R

青木孝行

「なかなかタフなレースで、スタート前は今回のレース、苦しい展開になるんじゃないかって、みんなと話していたんですが、蓋を開けてみれば決勝のクルマのバランスはけっこう良くて、後続車両をうまく離すことができました。途中からは後ろを見てレースの組み立てができましたし。楽では全然なかったですが、勝てましたし、シリーズポイント争いも肉薄しているので、ここの優勝というのは、かなり大きいと思います」

星野一樹

「ポールから青木さんがいいスタートを決めてくれて、本当に予定どおりに進んでいったんですけど、レース中にちょっと予定外のこともあったりして。でも、チーム力がついてきた証拠かな、と思うぐらい対応できたし、本当にこの上ない優勝だと思います。ライバルと比較したら、ここがいちばん辛いかなと思っていたので、GT-Rにとって、ここで勝てたのはすごく大きいと思うし、この後チャンピオンシップは鈴鹿、オートポリスと続きますけど、僕らにとってここよりいいサーキット続きますので、チャンピオン目指して3人で頑張ります!」

尾本直史

「作戦的には、富士を落としてしまったのがあったんですが、ここは絶対獲らないと、やっぱり折り返しが全然波に乗らないというのがありましたからね。とにかく勝つことだけを意識してやって、結果が出て。しかもドライで勝てたというのが嬉しいですね」

総合6位:(ST-1クラス優勝)#37 KeePer I.P.S

平川亮

「レースは、大差で連勝できたんで、次につながると思います。嬉しいです」

中山雄一

「平川からしっかり40秒ぐらいのマージンをもらって、バトンを受け取って。僕のスティントの中で9号車を周回遅れにできたので、いいペースで走れていたんじゃないかと思います」

畠中修

「ふたりの走りは完璧でした。シリーズがもうちょいですし、頑張って追いつきたいと思います。次は私も走って、レベルを上げていきたいと思います」

総合8位:(ST-2クラス優勝)#59 STURM MOTUL EDインプレッサ

松田晃司

「久々にスタートをやらせてもらったんですが、今日の序盤からタイヤのマネージメントが辛くて。ただ、トップの阪口選手もかなり辛そうだったので、勝負は後半だなと思っていたんですが、高速コーナーでオーバーステアが酷くて、もうその域でつないでいかないと阪口選手と渡り合えなかったんです。それでも最後にたぶん勝機はあるだろうな、と思って。ちょっと向こうにトラブルがあったみたいで、そこは残念でしたけど、今回は自分の仕事に満足しています」

吉田寿博

「チーム全員で獲った勝ちかなと。どうしても岡山は、ずっとランサーが勝っていたので、なんとしてもインプレッサで勝ちたかったという、チームのみんながそういう思いで来たので、実現できて1位になれて良かったなと。ホッとしています」

大澤学

「僕はもう彼らが築いたマージンをキープしてきただけなんですが、今回は金曜から決行トラブルが出ていたんですよ。それを夜遅くまで頑張って、メカの方々が直してくれたので、そのおかげで完走できて、みんなで獲った勝利でしたね!」

総合10位:(ST-3クラス優勝)#35 asset ings Z34

佐々木雅弘

「予選でチームメイトにちょっとやられちゃったんで、これはスタートで先に行かせるわけにはいかないし、ちょっとベテランの意地を見せてやろうと、ちょっとムキになって(笑)。あとは自分のペースで、後ろを見ながら。まぁ、余裕かな? 楽でした」

前嶋秀司

「チャンピオン決定には、ほんの少しだけ足りないみたい。佐々木が決勝、楽だったという話をしたと思うんですけど、金曜日から『足が熱い』って言っていたんですね。なんで熱いのかな、と思っていたら、決勝で俺のスティントが始まって、ちょっとしたら俺も足が熱いぞ、と。そしたら音がパ〜ンとして、マフラー割れた(苦笑)。マフラー脱落したらどうするのって聞いたら、『そのまま行くしかないでしょ。ペース変わらないんだから、そのまま行ってくれ』と。足の裏、すごく熱かったけど、ブレーキ液とクラッチのマスターが沸騰しなければ、そのまま行けるだろうという話で。何事もなく、佐々木に代われたんで良かったなぁ、と。残りの鈴鹿とオートポリス、出るからには勝ちたいんで、残り全部! 若手もうまく使いたいんで、うまく戦っていきたいと思います」

廣川和希

「今回、調子自体は悪くなかったんですが、ずっと勉強させてもらって、他じゃできない体験を、すごく大切な勉強をたくさんさせてもらいました。次の鈴鹿、オートポリスではそれを活かして、今までの圧勝に泥を塗らないように、しっかり頑張っていきたいと思います」

総合17位:(ST-4クラス優勝)#41 UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000

藤田竜樹

「作戦的には、淡々とペースを刻むセットと、ピットの作戦で前に出る。だから、できるだけペースを崩さないようにと。過去、S2000が岡山で結果を残せない理由というのが、トラブルがあったからなので、起こさないようにペースを配分しながら、1回目のピットが終わる頃にはトップに立っていました。マージンをきっちり植松選手が引き継いでくれましたので、その流れで今日は良かったと思います」

植松忠雄

「まさに作戦どおりで、すべてが作戦どおりに行ったかな、と。ブレーキがきつくなるだろうなと、タイヤはうまくいけば無交換で行こうと、タイヤとブレーキはいたわってリュウ(藤田)が走ってくれたんで、そのまま自分も優しく、優しく。最後はペースを上げて、タイヤがなくなったんで左側だけ換えて後半プッシュ。だから、まだまだライバルチームには申し訳ないけど、余裕があったかな、という感じでしたね。本当に作戦ぶりに行けて、久々のS2000の、岡山での勝利ということは、S2000ファンに喜んでもらえたかな、と思います」

寺西レオ

「今回も先輩に、完全におんぶに抱っこの状態だったので。でも、レースも予選も先輩たちに勉強させてもらいながら、早くチームの力になれるよう、これをいい経験にして、成長をまたしていきたいと思います」

総合31位:(ST-5クラス優勝)#2ホンダカーズ野崎with BOMEX

山田英二

「スタートでなんとかトップのまま、いかに2位を離すか。けっこう食らいついて来られたんだけど、徐々に、徐々に差を開いて、そのままの状態で荒井さんにバトンタッチ。まぁまぁいいスタート担当のドライビングができたんじゃないかと思います」 荒井康裕「諸先輩が頑張っていただけたので、この位置に立てたことはすごく嬉しく思います。感謝、感謝! それしか言えません(笑)」

山下潤一郎

「ふたりがギャップを作ってくれて、それを逃げ切る体制で行ったんですが、クルマに速さがあったので逃げ切れました。J’Sさん(99号車)のペナルティにも助けられて、かろうじて勝ったという感じでもありましたが。でも、第1戦から速さが足りないのが、だんだん追いついていって、ようやくポールも獲れて、ベストな結果で終われたので、このまま後半戦、頑張っていきたいと思います」

 

(はた☆なおゆき)

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