SUPER TAIKYU

RACES ARCHIVE 2014

REPORT

第4戦プレビュー

なかなか独走を許されぬシリーズ展開

なるか開幕から無傷の4連勝。ST-3クラスの#35 asset ings Z34だけが権利を残す

 スーパー耐久シリーズは、今さら言うまでもなく6クラスで争われ、これだけ多いと「連勝街道まっしぐら!」というクラスがシーズンによっては、いくつも存在するもの。実際、開幕2連勝までは4クラスもあったのだが、前回の富士でのレースは7時間もの長丁場だったことが影響したのか、3クラスで連勝がストップし、もはや1クラスだけとなってしまった。

 唯一開幕3連勝を遂げたのは、ST-3クラスで#35 asset ings Z34を駆る前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組のみ。その一方で、ST-XクラスとST-4クラスにいたっては、毎回ウィナーが入れ替わる超激戦区となっている。これだけ激戦が続くのは、全体的にアベレージが高まっているからなのではないだろうか? 「久しく耐える」と表するレースであり、それはそれで間違いはない。しかし、今はそれだけでは済まず、ボーダーを超えてしまったような印象も。

 もちろん、超え過ぎてしまえばマシンだけでなく、タイヤもドライバーも容易く音を上げてしまう。それでも、そのほんの少し上を突かなくては、もはや勝てないまでにレベルが上がっているように思えてならない。その結果として、トップを走っていたのに、トラブルを抱えて遅れる……という事態に陥ってしまうのでは?

 我慢に我慢を重ねて、相手の脱落を待つという手段もある。しかし、それでは相手もペースを合わせてくるだろう。だから、プレッシャーをかけ続けるわけだが、裏目に出てしまうこともあるのかもしれない。実際、たとえ1勝だけとはいえ、ここまで勝っているチームはチャンピオンの獲得経験を持っていたり、あるいは長年シリーズに参戦し続けている古参だったりする。ある意味、厳しさを大いに理解しているチームしか、もはや勝てなくなっているのだ。いかに現在の戦いが難しく、困難になっているか、そのことだけでも理解してもらえるのでは。

 また、毎回ウィナーが入れ替わっているのが、最速のクラスと最多のクラスであるのも、実に興味深いところだ。このふたつのクラスは車種のバラエティに富んでおり、そのことはクルマごとにキャラクターの違いも明確に存在していることも意味している。もちろんST-XクラスやST-4クラスに限らず、どのチームも速さ、強さはアピールしたい。だが、キャラクターの違いがコースレイアウトやコンディションの違いで、有利・不利を分けるのは過去に何度もあったこと。

 ストップ&ゴーの繰り返されるもてぎでの開幕戦はウェットコンディション。テクニカルコースのSUGOが舞台となった第2戦はドライコンディション。そして高速コースの富士での第3戦はドライコンディション。これだけの違いがあれば、連勝し続ける方が、むしろ圧倒的に不思議なぐらい。ただ、第4戦の舞台となる、岡山はテクニカルコースとして名高く、SUGOと相通じる結果となりやすい。それだけは過去の例からも明らかだと、述べておこう。

昨年のレースでは、一時ST-2クラスの車両がトップを走行!

 SUGOと相通じる……と、述べたばかりではあるが、ドライコンディションが終始キープされたことを大前提とする。ことST-4クラスはFRとFFが混在するから、コンディションの違いで展開はがらりと異なってくる。誰もがドライコンディションを祈っていようが、ST-2クラスだけは果たして、果たして……。四駆で争われるこのクラスだけは、ウェットコンディションもウェルカム。というのも、昨年フォーメイションラップの最中から雨が強く降り始めたこともあり、勢いを弱めるまで#20 RSオガワADVANランサー、そして#6新菱オートDIXCELエボIXとで総合トップが競われたということもあった。

 結果的に、天候の変化で普段どおりST-X(昨年はGT3)クラスによって、やがて総合トップは競われるように変化したのだが、そういうこともあり得るというのを、頭のどこかに入れておいて欲しいもの。最も気持ち良く観戦してもらいたいから、できればドライコンディションは保たれて欲しいが!

 なお、日曜日の決勝レースは3時間耐久レースとして争われる。それに先駆けて土曜日に行われる予選は、13時からのスタートに。絶対的な速さがすべてではないレースだが、ドライバーふたりの合算タイムでグリッドが決まるだけに、力を合わせて戦う様子も必見。「Aドライバー同士の差はコンマ何秒だったけれど、Bドライバーはこれだけ離したから……」と、そういう頭脳戦もぜひ楽しんで欲しい。

 

(はた☆なおゆき)

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