決勝レポート
ENDLESS ADVAN BMWがST-Xクラスの王座に輝く!
スーパー耐久シリーズ第5戦の決勝レースが、岡山国際サーキットを舞台に9月6日(日)に開催された。スタート時こそ路面は濡れていたが、すでに雨は上がっていたこともあり、2スティント目からのタイヤ選択が勝敗を大きく左右することとなった。総合優勝を飾ったのは、#5 MACH MAKERS GT-Rの白井剛/青木孝行/藤波清斗組。そして、2位に入った#3 ENDLESS ADVAN BMWのYUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/元嶋佑弥組が、最終戦を待たずにチャンピオンを決めている。
絶妙のタイヤ選択で、MACH MAKERS GT-Rが初優勝を飾る
午前中に行われたフリー走行やサポートレースは、強い雨に見舞われた日曜日の岡山国際サーキットであったが、決勝レースのスタート進行が始まる頃には雨がやんでいた。ただし、気温、路面温度とも25度と低く、無風状態であったため、全車がウェットタイヤを装着することとなった。ポールポジションからスタートした#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの高星明誠が、まずレースをリードしたが、トップを守れたのはわずか2周だけだった。予選こそ7番手だったが、#16 REAF REAL ESTATE KiiVA BMWの片岡龍也がオープニングラップのうちに3番手に浮上。次の周にもうひとつ順位を上げた勢いそのままに、片岡は高星にも迫って、トップに躍り出ることになる。
路面が濡れた状態では、BMW Z4勢が他を圧する速さを見せ、予選5番手だった#3 ENDLESS ADVAN BMWの元嶋佑弥も7周目には3番手に浮上し、10周目には2番手に立つ。一時は20秒近くまで達した片岡のリードながら、やがて元嶋のペースの方が上回るようになり、36周目には10秒を切る。プラチナドライバーに許される乗車時間、72分をフルに使った片岡は38周目にHiromasa Nishidaにバトンタッチ。その間に元嶋がトップに躍り出る。 その前の周、すなわち37周目に大胆策を採っていたのが、#5 MACH MAKERS GT-Rだ。4番手を走行していた青木孝行が徐々に乾いていく路面に、もうドライタイヤがマッチすると判断。続いてドライブする藤波清斗に交換を指示したのだ。5番手に落ちていた#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは同一周回で、星野敏にリヤ2本のみの交換で渡し、3周前に星野一樹からGAMISANに代わっていた#1 GTNET ADVAN C-WEST GT-Rは無交換。まったく違う状況となったものの、青木の判断が大正解。
一方、#3 ENDLESS ADVAN BMWは43周目にYUKE TANIGUCHIに代わった後も、トップをキープしたが、タイヤは無交換。そこに迫ってきたのが、もちろん藤波だ。5番手からぐんぐん順位を上げて、46周目に2番手へと上り詰めた時のTANIGUCHIとの差は30秒以上あったのだが、何しろラップタイムはほぼ10秒違う。50周目のモスSであっさりトップに立った後も、藤波は容赦なく後続を引き離していった。たまらずライバルたちもドライタイヤに交換するが、時すでに遅し。間もなく、藤波は全車を周回遅れにしてしまう。
一方、49周目には4番手を走行していた、星野がフロントを傷めてピットに戻ってくる。1コーナーでクラッシュしたためだ。幸い、修復なってコースに復帰はできたものの、トップから大きな遅れを取ることに。これで一気に現実味を帯びたのが、#3 ENDLESS ADVAN BMWの王座獲得だ。72周目からは峰尾恭輔がドライブし、まずはポジションをキープ。しかし、そこに迫ってきたのが、#1 GTNET ADVAN C-WEST GT-Rの吉田広樹で一時は1秒を切るまで近づいたが、峰尾も意地を見せて振り切りに成功する。その一方で#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢もまた、意地を見せた。交代から8周後にひとつポジションを上げ、7番手に。だが、あと一台抜かねば、阻止できなかったのだが、6番手との差はあまりに大き過ぎた……。
もちろん、その間もトップを走行していたのは、#5 MACH MAKERS GT-Rだった。最終スティントを担当した白井剛は、慎重に周回を重ねて、1周以上の差を最後は峰尾に45秒差にまで詰められるも、少しもプレッシャーを感じることはなかったはず。その結果、#5 MACH MAKERS GT-Rが初優勝を飾り、#3 ENDLESS ADVAN BMWが王座を獲得した。
なお、3番目にチェッカーを受けたのは#1 GTNET ADVAN C-WEST GT-Rだったが、フォーメイションラップまで5分を切ったところで、グリッド上での作業があったため、ペナルティとして30秒加算されることに。これにより、#32 ケーズフロンティアDirection Racing GT3Rの飯田太陽/小林崇志/Tetsuo Ogino組が繰り上がって、3位を獲得した。
DAMD MOTUL ED WRX STIが4連勝で王座を決める
予選トップだったことで1ポイントを追加、マージンを39.5ポイントとしていたこともあって、今回完走さえすれば、王座獲得なる#59 DAMD MOTUL ED WRXの大澤学/松田晃司/吉田寿博組。ところが、1周目から試練が襲う。原因不明のエンジントラブルによって大澤は順位を落とし、#20 RSオガワADVANランサーの松本武士だけでなく、#6 新菱オートDIXCELエボXの菊地靖にも先行を許してしまう。そこで完走狙いへと切り替えた大澤ながら、まだ風は吹いていた。10周目に松本が電気系トラブルによって、ストップしてしまう。
代わってトップに立った#6 新菱オートDIXCELエボXも今季初優勝がかかっているだけに、続いて乗り込んだ冨桝朋広と大橋正澄も力走を見せたが、松田が容赦せず。74周目に逆転した後、81周目に吉田へとバトンタッチ。腰痛の手術後ということで、ここまでのレースでは決勝を走れずにいた吉田ながら、快方に向かっていたことから、ついに走行が可能に。そのままトップを守り抜いて4連勝を達成、そして3連覇も達成することとなった。
ST-3クラスではasset ingsテクノRC350がデビュー3戦目で初優勝
序盤のST-3クラスをリードしたのは、予選もトップだった#38 ムータレーシングTWS IS350の阪口良平。一時はST-2クラスの全車を従え、またOKABE JIDOSHA motorsportのZ34勢が3台とも早めのドライバー交代を行ったこともあり、大量のリードを奪う。その時点の2番手、3番手は#62 DENSO Le Beausset RC350の中山雄一、#34 asset ingsテクノZ34の佐々木雅弘だったが、もはや追いかけるのを諦めていた感も。その二台にじわりじわりと迫ってきたのが、#39 SARD Racing RC350の平手晃平だった。26周目に、まずは佐々木をパス。そして、平手の激走にプレッシャーを感じたわけではなかろうが、35周目のヘアピンで中山がオーバーラン。これで平手は2番手に浮上する。
#38 ムータレーシングTWS IS350は48周目に植田正幸に交代し、それを見届けて#39 SARD Racing RC350も柴田優作に交代。すると間隔は徐々に詰まっていく。勢いに乗る柴田は、58周目の1コーナーでトップに浮上し、その後も逃げ続けていった。#34 asset ingsテクノZ34の佐藤公哉が、#38 ムータレーシングTWS IS350の堀田誠を抜いたのは82周目。そして、片山義章への交代をラスト4分まで引き延ばした#39 SARD Racing RC350ながら、マージンは十分ではなく……。
その結果、土壇場でトップに躍り出たのが、#34 asset ingsテクノZ34だった。マシンをZ34からRC350にスイッチしてから、わずか3戦目で初優勝を飾ることに成功した。2位は#39 SARD Racing RC350が、3位は85周目に順位を入れ替えていた、#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の長島正明/田中徹/田中哲也組が獲得した。
ST-4クラス今季初の2勝目はウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5が獲得
ST-4クラスのポイントリーダー、#52 埼玉トヨペットGreen Brave 86が序盤早々にエンジントラブルを抱え、優勝戦線から脱落する緊急事態が発生する。そして、最終戦まで影響を及ぼさぬようにと、レース中にエンジンを交換! この執念が最終戦に、どう影響を及ぼすのか気になるところだ。
ともあれ、濡れた路面であっても、徐々に乾いていく状況はFF勢より、むしろFR勢に有利に働いた。序盤にトップ争いを繰り広げたのは、#95 孚海國際×SPOON S2000の松井猛敏と#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRITの井口卓人。後続を引き離しつつ、激しいバトルを繰り広げていた。43周目に両車は同時にピットイン。ピットを離れるのは#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT蒲生尚弥の方が早く、遅れた#95 孚海國際×SPOON S2000の中島保典は思うようにペースを上げられず、徐々に順位を落とすことに。その後も、蒲生は逃げ続けていたのだが……。
なんと67周目にリヤバンパーを引きずりながら、蒲生がピットに戻って来たではないか! レースアクシデントにより、大きく順位を落とす羽目に。これでトップに立ったのは、#58 ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5の塩谷烈州。序盤に小林康一がFF勢で争うセカンドグループを走行し、トップグループに大きく遅れなかったのが、ここで活きていた格好だ。最終スティントは、今季2度目の参戦となる辻佐起子がドライブ。一時は#13 ENDLESS ADVAN 86に迫られたが、最後は逆に振り切ることに成功。開幕戦以来の2勝目を、ST-4クラスで最初にマークすることとなった。
ST-5クラス新王者の#69 BRP★J’S RACINGフィットが凱旋に成功
ST-5クラスですでにチャンピオンを決めている#69 BRP J’S RACINGフィットながら、決勝がスタートすると、トップを守れたのは1周のみ。2周目からは#11 隈元建設×BSR WM☆Vitzの三木孝浩に先行を許したばかりか、5周目には大野尊久が5番手まで順位を落としているではないか。これはトラブル発生かと思われたものの、実はこの展開は織り込み済み。タイヤの内圧が上がっていくにつれ、順位を上げ続けて、残すはトップの三木だけに。しかも、39周目に大野から梅本淳一に代わってからは、もう#69 BRP★J’S RACINGフィットに敵はいなくなる。そのままトップをキープし続けて、最終スティントを初搭乗の赤星陽太郎に託すことに。もちろん、赤星も難なく逃げ切りに成功。チャンピオンが見事凱旋を果たすこととなった。
2位は三木と松尾充晃がドライブした#11隈元建設×BSR WM☆Vitzが、そして3位は#213 WAKO’S APP菅野自動車Vitzの東貴史/原田学/横尾優一組が獲得した。
ST-Xクラス優勝 #5 MACH MAKERS GT-R
青木孝行
「ウェットが常に、どこのサーキット行っても何故か遅いんですよ、ドライはいいんですけど。それでも、ましな方だったんですよ、見えるところで着いていけたから。一番の勝因は2スティント目に全員がレインタイヤを選んでいたのを、スリックタイヤって決めたのが、すべてだったかな。ほぼ、僕の独断と偏見で決めました。どうしよう、どうしようとギリギリまで悩んでいたんですが、スリックで清斗に行けと。それがうまくいきました。金曜日にスリックで雨というのを僕が経験していて、意外と雨が降ってもスリックで行けるんだという認識があったので、このままレインタイヤで走っているより、ちょっと厳しいけど、行けるからスリックで、とね。でもピット回数の制限と乗車時間の制限があるんで、あんまり融通が利かないシチュエーションだったんですけど、清斗に頑張ってもらって。そしたら、それがドンピシャ当たって、全員レインタイヤだったんで、1周10秒ぐらいずつ離れ、それのビハインドが大きかったですね。」
藤波清斗
「なんとか、やっとです。最初スリックで出て行った時は不安だったんですけど、絶対に行けると思っていました。でも、2周目にはタイヤが温まって、まわりとタイムが一緒だったので、このまま行けば、大丈夫だと。前回は接触して、全部台無しにしているんで、接触せずに、安全に。無線でコミュニケーションもとって、白井さんに情報を伝えて、行ってもらってという感じでした。優勝は去年のオートポリス以来。このままの勢いで鈴鹿も勝って、1年間を終わりたいと思います。チャンピオンはエンドレスに持っていかれちゃったんですが、最後も優勝できるよう、頑張ります。」
白井剛
「2006年にST-3クラスで優勝がありますが、それ以来となります。作戦勝ちでした。安全に運ぶのが自分の役割だったんですが、けっこうぶつかったりもしているんで、ヒヤヒヤでした。でも、90秒以上もらっていたので、これは大丈夫だと確信していました。あとは壊さないように走っていました、今までそれで何回も勝てるレース落としてきたので。残り1戦なので、次も勝ちたいと思います。」
ST-Xクラス2位/チャンピオン #3 ENDLESS ADVAN BMW
元嶋佑弥
「本当に良かったです。今回はタイトルをすごく意識していて、僕だけじゃなくチームのみんなもしていたんじゃないでしょうか。予選からスピードはなかったけれども、決勝は雨が降って、チャンスがあるのかなと思って。雨の中、僕はいいペースで走れて、その瞬間、チャンピオンが近づいてきたなぁ、って感じました。TANIGUCHIさんも峰尾さんも最後まで、路面が乾いてきて苦しかったと思うんですが、すごく峰尾さんも最後までプッシュしてくれてチャンピオンが獲れたんで、本当に良かったです。このレース、本当に第2戦のクラッシュからものすごいプレッシャーがあって、遅く走っていると来年使ってもらえないし……。だからといって頑張り過ぎて当たると話にならないので、すごいプレッシャーでしたけど、自分でも集中できて走れたかな。ホッとしています。」
YUKE TANIGUCHI
「なんか、チーム力が出たのかな、という感じですね。実感はまだ……、もうちょっといい働きをしたかったですね。タイヤはレインで出て行って、そしたらスリックとすごいタイム差があって、レインが全然グリップしなくて、これでスリックは無理だろうと思っていたら、5号車(MACH MAKERS GT-R)がえらい勢いで抜いていって、後ろから見ていたら、ふらふらしていないんで、ああ、俺も換えると。これからシリーズチャンピオンの実感がじわじわ沸いてくると思います。」
峰尾恭輔
「みんなで頑張ってきた集大成が積み重なり、チャンピオンに決まりました。エンドレスに来て10年目なので、かなり勝たせてもらって、チャンピオンも獲ってきたんですけど、総合優勝という形で10年目が飾れたので、感謝の気持ちと、何としてもそれを取らないとダメだと思ったので、ちゃんと結果で返せて良かったです。今年はTANIGUCHIさんがすごくいい走りをしてくれたので、なんとかTANIGUCHIさんにもチャンピオン、大きいタイトルを本当に獲らせてあげたかった。本当に良かったです。最初は3位狙いで行ったんですけど、SCで追いつかれてしまって、これで抜かれたらチャンピオンなのにカッコ悪いなぁと思い最後まで頑張って、順位を守りました。」
ST-2クラス優勝 #59 DAMD MOTUL ED WRX STI
大澤学
「今回、勝てるとは思っていなかったので、勝ててチャンピオンが獲れて良かったです。スタート直後、エンジンが吹けていたんですが、ストレートでバンバン行かれてしまって。原因は分からないですが、それで1コーナーで飛び出したりもしてしまって、今回は完走する作戦に切り替えたんですよ。僕は最後まで勝ちは狙っていなかったので、本当にラッキーでした。今回は最初から完走してチャンピオンというのを狙っていたので、嬉しいです。」
松田晃司
「疲れました、久しぶりに(笑)。序盤から原因は分からないけど、トラブルがあって。で、ST-3クラスのクルマにも間に入られちゃって、すごく展開的には苦しかったんですけど、とりあえず諦めずにやってみるかと。でも、ウェットでスリックだし本当に厳しかったですね。でも、結果が残せて本当に良かった。それと吉田先輩が最後に乗って決められたので今日は最高です。」
吉田寿博
「有言実行でチャンピオン獲る時は乗りますよっていうことで、乗せていただいて本当にいいチームだなぁ、と。展開的には、最初ちょっと厳しいかなと思っていたんですが、最後にチェッカーさえ受けられればチャンピオンが獲れるんで、そっちを優先しようと思っていたんですが、欲が出てきて。やっぱり優勝してチャンピオン獲りたいな、って変わってきて。それで晃司が頑張って抜いてくれてマージンを作ってくれて、それとSCの時のタイミングもすごく良くて、ピットワークもすごく良かった。3連覇はすごく大きいです、本当にありがとうございます、という感じです。強くなりました。」
ST-3クラス優勝 #34 asset ingsテクノRC350
佐々木雅弘
「予選はRC350勢の中でトップでしたがウェットのバランスが本当に出ていなくて我慢、我慢で、我慢しました。今回は本当に3人、平均が速かったので、チーム力と作戦で勝ったかな、と思います。」
前嶋秀司
「予選はめちゃくちゃ失敗で、佐々木より1秒遅かった。でも、決勝ではいい感じでバトンタッチされて、スリックに換えていいペースで走れて公哉に渡せたので、帳消しにしてもらえたかな、っていうぐらい、いい仕事ができたと思います。公哉もいい仕事してくれたんで、今回は3人でうまく回せて勝てたレースなんじゃないかと思います。RC350で3戦目の優勝は、早いんじゃないかと思いますよ。でも、煮詰まって勝ったわけじゃなくて、これからですよ、見ていてください、って言いたいくらい、まだまだ。俺たちで煮詰めて、もっともっと速くさせて見せます。」
佐藤公哉
「僕は先輩方が作ったマージンを淡々と走って、守りきっただけなので。本当に、他のチームの人には悪いけど、簡単だったな、と。誰かが特別速いわけじゃないんですけど、争っても当たり負けするような気もしなかったし、思いのほか、まわりも来なかったので楽勝だな、と思いました。RCで、新車投入して、こんな早く勝てるとは思ってなかったので、嬉しいです。最後までこの感じで、タイトル獲りたいですね。」
ST-4クラス優勝 #58 ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5
小林康一
「やっぱり天気に助けられた部分は、かなり大きいですね。あと、監督が女性で、最後も女性ドライバー。レディースパワー炸裂(笑)。開幕戦で勝って以来、ちょっと辛いレースが続いていたので、厄払いをしてきたのが良かったんでしょうか。」
塩谷烈州
「タイヤの選択では、FFはいつも苦しいので、違うパターンをやって見たのが、良かったみたいです。すぐ発熱して、結局ハーフウェットの時間が長かったんで、その時にとにかくプッシュしようと思ったんですが、うまくいきました。全体的にそういう作戦とか、最後ピットに入れるタイミングも、セーフティカーもバッチリ合ったんで。なんかいろんなものが味方してくれて、久しぶりに勝てて良かったです。」
辻佐起子
「なんか嘘のようです。第3戦の富士で、初めてこのチームに乗せてもらって、今年は2回目なんですけど、前回5位で。いつも、いい状態で順番譲ってもらったので、最後は頑張ろうと思いました。これがスーパー耐久では初優勝で、いい時に乗せてもらってラッキーでした。」
ST-5クラス優勝 #69 BRP★J’S RACINGフィット
大野尊久
「うちのクルマは、すごくタイヤに優しいセットになっていて、内圧が上がって来ないんですよ、雨の中ではなかなか。それを我慢して、後半になれば絶対に抜けるっていうか。最終的に抜いたんで、帳尻は合ったんですが、前半は安全プラス、タイヤの発熱が厳しかったって感じですね。後半はベストを出して、追いついて、抜いてという感じで。梅本選手には、ちょうどスリックのタイミングだったんですよ。それでちょっと早めに梅本選手にスイッチして、バシンとタイム上げてもらって、そこから引き離しにかかってもらったんで、それでもう、決まっちゃったようなもの。あとはトラブルが出ないように。やっぱりデビューしたサーキットで凱旋ができて、すごく嬉しいですね。やっぱり地元という意識も高いので。鈴鹿も梅本選手のホームコースなので、次も決めたいですね。」
梅本淳一
「勝ちパターンを、チームが覚えているんで、前半の大野は全然焦っていなくて、本当に想定内で。それでちょっと早めにスリックを履いて、濡れていたからちょっと怖かったんですけど、徐々に上げていって。あとはディスタンス、ちゃんと稼げたので。ただ、予想外だったのはスポット参戦の11号車(隈元建設×BSR WM☆Vitz)が速かったこと。ただ、レースで負ける気はしない。で、一発も予選で負けられないと、昨日も頑張ったんで、今日は本当に負ける要素が見当たらないというほど、計算ができていました。でも、かなりプレッシャーはありました。凱旋レースで、もし負けたらどうしよう、ましてスポット参戦のクルマに負けたらどうしよう、というプレッシャーはありましたけど、冷静に、完璧に仕事をこなして、勝つパターンで。チームの総合力だと思います。次の鈴鹿は92年から始めたサーキットなのですが、どちらかというと僕は岡山の方が好きになりました。」
赤星陽太郎
「僕は何も言うことないんですけど、とにかくクルマをゴールまで運ぶだけで。当てずに、潰さずに。初めて乗るクルマでしたから、慣れるのに時間がかかりました。ふたりがすごく頑張ってくれたので、僕は流すだけで済みました。あと一回ぐらい出たら、もっと慣れていい走りができると思います。」
(はた☆なおゆき)