SUPER TAIKYU

RACES ARCHIVE 2015

REPORT

予選レポート

ポールポジションはスリーボンド日産自動車大学校GT-Rが獲得!

 スーパー耐久シリーズ第5戦が岡山国際サーキットで開催され、予選が9月5日(土)に行われた。コンディションに恵まれ、絶好のアタック日和の中、ポールポジションは#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの星野敏/藤井誠暢/高星明誠組が獲得した。

練習からの勢いを、予選でもキープしたスリーボンド日産自動車大学校

 金曜日には1時間の専有走行が3セッション実施され、そのうちセッション2では開始から間もなく激しい雨に見舞われる。しかしながら、日曜日に雨が降ると言われているため、ウェットセットを詰めるに好都合と、いったんは全車がピットに戻るが、タイヤを履き替えて再び走り始める車両が大半を占めた。そのセッション2も30分すると、雨はやんでいたため、約2時間後のセッション3は、ほぼドライコンディションに。

 そこでベストタイム、1分31秒415をマークしたのが、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢。「コンディションにもよりますが、去年僕が出したレコードタイム、30秒9は見えています。30秒の前半ぐらいを狙いたいですけど、感触としては30秒の真ん中ぐらいですかね」と語っていたもの。

 なお、ST-2クラスでは#20 RSオガワADVANランサーを駆る、岡山育ちの松本武士が1分40秒218で、ST-3クラスでは#39 ムータレーシングTWS IS350の阪口良平が1分40秒980でトップに立っていた。

 土曜日に行われた予選、特にAドライバーのセッションは、9月に入ったこともあり、強い日差しがサーキットを照らしてなお、過ごしやすい穏やかな天候に恵まれる中で行われた。しかし、コース上では少々混乱も。開始から4分目、そして再開してからも10分後に、二回も赤旗中断があったからだ。最初の再開後に、しばらくリードしたのは#1 GTNET ADVAN C-WEST GT-RのGAMISANだったが、これをやがて#32 ケーズフロンティアDirection Racing GT3Rの飯田太陽が1分32秒692をマークしてトップに浮上。二回目の再開後、残された計測時間は6分でしかなかったため、逃げ切りも可能なように思われていた。

 だが、二回目の中断直前から走行を開始、しっかりタイヤの皮剥きも済んでいた#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの星野敏が1分32秒720をマークして、飯田にあと一歩まで迫ったばかりか、ラストラップに1分32秒528を叩き出し、トップへと浮上する。3番手は1分32秒723のGAMISANが獲得。

新王者の凱旋レースに、大きな前進を果たした#69 BRP★J’S RACINGフィット

 一方、ST-2クラスでは#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学が、1分40秒571を記してトップ。これに#505 GRGランサーEVO Xの田ヶ原章蔵が1分41秒258で続いていた。 そしてST-3クラスでは#38 ムータレーシングTWS IS350の植田正幸が1分41秒317でトップに立ち、すべてを阪口に託すこととなった。2番手は#195 岡部自動車ZEROSUN195Z34の安宅光徳で1分41秒418、3番手は#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の長島正明が1分41秒563で続いていた

 ST-4クラスではセッション前半を、1分44秒280をマークした#40 TRACY SPORTS ings S2000の鶴田和弥がリードしたが、後半から走行を開始した#95 孚海國際×SPOON S2000の松井猛敏が1分44秒049を出して逆転。これに#93 TAKUMI×UEMATSU×SKR S2000の植松忠雄が、1分44秒328で続いていた。そして、ST-5クラスではすでにチャンピオンを決めている、#69 BRP★J’S RACINGフィットの大野尊久がただひとり1分50秒を切るレコードタイム、1分49秒754でトップに。2番手には#19 BRP★J’S RACINGフィットの古宮正信が1分50秒409で続いていた。

最速タイムは、またもREAF REAL ESTATE BMWの片岡龍也が記す

 15分間のインターバルの後、Bドライバーのセッションが行われ、ST-Xクラスではプラチナドライバーたちがいよいよ走行。どれほどのタイムが出るか注目された。練習走行で藤井が予想した1分30秒台をあっさりと、まず更新したのは#16 REAF REAL ESTATE KiiVA BMWの片岡龍也。1分29秒809でレコードタイムを更新した後、クールダウンを挟んで1分29秒792まで縮めて、もはや決まりかと思わせた。しかし、残り6分から走行した#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井が、片岡をヒヤリとさせた。わずか3周のみ走行して、1分34秒台、1分30秒台へと着実に縮め、ラストアタックで藤井は1分29秒968を出し、コンマ1秒差にまで迫ったからだ。

 なお、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの星野は、ペナルティによりベストタイムを抹消、#32 ケーズフロンティアDirection Racing GT3Rの飯田にAドライバーセッションのトップを明け渡すこととなるが、セカンドベストタイムと藤井のタイム合算ではポールポジションを獲得。Cドライバーの高星明誠とともに、マシンをグリッドの最前列に並べることが決定した。2番手は#5 MACH MAKERS GT-Rの白井剛/青木孝行/藤波清斗組が獲得し、3番手は#32 ケーズフロンティアDirection Racing GT3Rの飯田/小林崇志/Tetsuo Ogino組が獲得した。

ST-2クラスでDAMD MOTUL ED WRX STIが5戦連続でトップにつける

 ST-2クラスで最初にコースインしていたのは、Aドライバーのセッションで大澤がトップだった#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの松田晃司だった。しかし、最初のアタックが1分41秒054と平凡なタイムに留まる間に、トップへと躍り出たのが#20 RSオガワADVANランサーの松本で、1分39秒506をマーク。間もなく松田は1分39秒741を出して、松本に迫るが、そこで走行を終了する。合算タイムではトップとあって、それで十分と判断したのは間違いない。その結果、大澤と松田、そして吉田寿博は開幕から5戦連続で予選トップにつけることとなった。2番手は下垣和也と松本の駆る、#20 RSオガワADVANランサーが獲得した。

 そして、ST-3クラスではパートナー植田の奮起に、阪口が見事応えることとなった。アタック一発で1分39秒899をマークしてトップに。もちろん合算でもトップを#38 ムータレーシングTWS IS350が獲得し、今季2回目となる植田と阪口、堀田誠がクラスのいちばん前からスタートすることとなったばかりか、総合順位でST-2クラスの車両を1台挟むことにも成功。その2番手にはポイントリーダーでもある、#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の長島/田中徹/田中哲也組がつけることとなった。

もう予選だけとは言わせない。ST-4クラスの孚海國際×SPOON S2000が必勝を誓う

 ST-4クラスではBドライバーのセッションで、1分44秒の壁が崩された。開始早々のリーダーは1分43秒856を記した#92 ニールレーシングwith セイコーSSR亜衣S2000の杉原直弥だったが、1分44秒088であと一歩と迫っていた#95 孚海國際×SPOON S2000の中島保典が、次の周に1分43秒232をマークして逆転。そして、終盤には#93 TAKUMI×UEMATSU×SKR S2000の太田侑弥が1分43秒524を出して、中島と杉原の間に割って入る。

 もちろん合算でのトップは、ふたりともトップだった#95 孚海國際×SPOON S2000の松井と中島。2番手に#63 TAKUMI×UEMATSU×SKR S2000の植松と太田、鈴木陽がつけ、3番手は#41 TEAM HERO’S×TRACY SPORTS ings S2000の鶴田、吉田靖之、長谷川伸司がつけて、S2000勢が上位を独占する。#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の蒲生尚弥、井口卓人、松井孝允がようやく4番手に並び、ランキングトップの# 52 埼玉トヨペットGreen Brave 86の番場琢、服部尚貴、平沼貴之は6番手から決勝に挑むこととなった。

 ST-5クラスでは、チームメイトが更新したばかりのレコードタイムを#69 BRP★J’S RACINGフィットの梅本淳一が、早々に上回ることに。1分49秒628を記して梅本は上機嫌。もちろん、合算タイムでもトップに立つこととなった。2番手は、スポット参戦でヴィッツNCP131を持ち込んだ、#11隈元建設×BSR WM☆Vittzの松尾充晃、三木孝浩、板垣裕之が獲得した。

 6日(日)は午前9時にフリー走行が開始。12時35分から決勝レースのスタート進行が開始される予定となっている。今回も3時間レースとして争われる。残念ながら天気予報では早朝からの降雨が告げられており、ウェットコンディションでの戦いは免れそうもない。しかし、そこにドラマが生まれることも期待したい。

ST-Xクラストップ(ポールポジション)#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R

星野敏

「会心の走りではなかったんですが、7周したうちの最後の2周はうまくまとまりました。藤井選手がすごいタイムを出してくれたんで、初めていちばん前から走れることになりました。まだ優勝がないので、一回は優勝したいと思います。」

藤井誠暢

「昨年は自分が唯一30秒9でコースレコードを出しましたが、今週はクルマもうまくまとまりました。路面とタイヤの温まりがマッチして、パーフェクトに決まりました。9秒はまったく想定していなかったので、自分でも驚いています。それだけでなく、星野選手が今シーズンから耐久レースを始めて、5戦目のレースでいいタイムを出してくれ、ふたりで合算して最終的に、ポールポジションを獲れてよかったです!明日のコンディション、雨は僕らにとってきついんですけど、いちばん前からスタートできるので、その有利さを活かして優勝を目指したいと思います。」

ST-2クラストップ #59 DAMD MOTUL ED WRX STI

大澤学

「最初のアタックを赤旗で中断されて、一度仕切り直しになったので気分的には乗り切れなかったところはあるんですが、ポールが獲れたので結果オーライです。ポールは獲ったんですが、明日は明日で思うように行かないこともあるでしょう。完走目指して頑張ります。」

松田晃司

「クルマ的にも問題ないですが、雨はきついと思います。しっかり完走して、今回はシリーズチャンピオンを獲りたいと思います。」

ST-3クラストップ #38 ムータレーシングTWS IS350

植田正幸

「クルマは良くて今までもずっと勝てそうなレースが続いていたんですが、トラブルで完走できなかったりしていたので、残り二戦とも獲りに行きたいですね。」

阪口良平

「速さはあるので、今度こそ結果につなげたいですね。いいクルマに仕上げてもらい本当に感謝しています。ウェットの方が僕は好きかもしれない。岡山大会のウェットは大好きなので!」

ST-4クラストップ #95 孚海國際×SPOON S2000

松井猛敏

「ふたり揃って一番になったのは久しぶり、今日はすっきり獲れて素直に嬉しいです。自分の走り的にもほぼ満点に近い。明日は朝から雨で、スタートからウェットレースなので、絶対にトップにいた方がマージンがあるはず。それは大きいですね。今日獲ったポールポジションの1ポイントも大きいですが、いちばん前からスタートできるのも大きいですね。」

中島保典

「4秒台も見えてなくて、実は2秒台しか見えていませんでした(笑)。予選だけ速いと言われないように、決勝も勝つしかありません。予選は速いですね……と言われ続けて、どれだけ経つか!しっかり戦いと思います。」

ST-5クラストップ #69 BRP★J’S RACINGフィット

大野尊久

「僕ら、ここではずっとテストしてきて、足まわりが今、決まってきているので、自由自在に操れるようになっています。梅本選手にレコード獲ってもらえたので、すごく嬉しかったですね。今回もきっちりとしたレースをやりたいと思います。」

梅本淳一

「痩せた方がタイムが出ると、ずっと言われていたんですよ。それでダイエットしたんですが、失敗しました(笑)。関係ないと。1年間レコードタイムはいただきます。自分たちで塗り替えるか、違うクラスでチャレンジします。とりあえず今、集大成ですね。エンジンパワーはそんなに変わるものではないのですが、ウエイト増に負けない足まわりにできたその結果です。昨日の雨もフリーはずっと調子が良かったので、明日の決勝でも王者のレースを見せたいと思います。」

 

(はた☆なおゆき)

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