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REPORT

決勝レポート Gr.2

TC CORSE iRacing ROADSTERが初表彰台を、初優勝とする!

 スーパー耐久シリーズ第5戦「スーパー耐久IN OKAYAMA」が岡山国際サーキットを舞台として、10月23日(日)に決勝レースが行われた。今回は今季2回目の2グループ開催で、午前に行われたグループ2では#54 TC CORSE iRacing ROADSTERの近藤翼/堤優威/加藤彰彬組が総合優勝を飾り、ST-5クラスでは#19 BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FITの2連勝となった。

ST-4クラスランキング1位、2位の激しいトップ争いが繰り広げられたものの……

 2グループ開催は第2戦・SUGO以来ながら、2レースを1日で行うのは今季初めて。そのため、最初に行われたST-4クラスとST-5クラスによる、グループ2決勝レースは8時10分からのスタート進行開始となった。サーキット上空には青空も見えるものの雲も多く、いつ雨が降り出してもおかしくない状況とも思われていた。

 スタートを決め、1コーナーに真っ先に飛び込んでいったのは、ポールシッターで#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86を駆る松井孝允。これに予選2番手だった#41 TAKUMI×HERO’S SSR ings S2000の石川京侍が続くも、ヘアピンでブレーキトラブルに見舞われ、痛恨のスピンアウト、有力どころの一台が早々に優勝戦線から脱落してしまう。これで#77 CUSCO with Keys 86の山田英二が2番手に浮上し、3番手は#40 ゴーゴーガレージRAMD86 AGE↑AGE↑RACING SSR ingsの浜野彰彦が浮上。そして予選7番手だった#13 ENDLESS ADVAN 86の元嶋佑弥もオープニングラップのうちに、4番手へと躍り出る。

 上位陣の中でも、最も元気が良かったのが元嶋で、5周目には3番手に。そして、早めに勝負をかけて20周目には小河諒と交代する。山田から木下隆之への交代は30周目、そしてトップの松井から井口への交代は41周目とセオリーどおりだったのに対し、浜野からNAORYUへの交代は51周目と、ほぼレースの折り返しまでに。だが、十分なマージンを築くことはできず、やがてトップ争いは井口と小河とに替わり、そこからやや間隔を明けて木下が続いていくこととなった。必死にトップを追いかけていく小河ながら、ギャップはなかなか詰まらず、井口がペースを合わせて走っているのは明らか。

 そこで2時間を経過する前の65周目に#13 ENDLESS ADVAN 86はピットに戻り、再び元嶋にバトンを託すことに。これを見た#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86も次の周に、井口から蒲生尚弥への交代を決断する。先手を切ったことが功を奏して、元嶋がついにトップに浮上し、一時は約4秒もリードを広げていた。しかし、蒲生が次第に差を詰めていき、80周目にはついに1秒を切るまでに。ここから先は、まさに死闘の様相を呈していた。1コーナーでインから、時にはアウトからプレッシャーをかけ続けた蒲生。

 そして55周目の1コーナーでアウトからトップに立った蒲生ながら、元嶋も諦めることなく、しっかり食らいつき、ヘアピンでインを刺す。が、その直後に2台は接触! この時に右フロントのホイールを痛めた蒲生は、次の周にピットイン。ガレージで修復を余儀なくされて、優勝の夢は遠ざかってしまう。

 一方、これにより2番手に浮上したのが、近藤翼と加藤彰彬からバトンを託されていた、#54 TC CORSE iRacing ROADSTERの堤優威だった。予選10番手からパートナーの二人が徐々に順位を上げて、全車が2回目のピットストップを終えた時点で4番手に。さらに#77 CUSCO with Keys 86が電気系トラブルで、2回目のピットストップの後にもう一度入ったことで3番手に浮上していたのだ。

 #13 ENDLESS ADVAN 86にダメージは一切なく、そのまま逃げ切ることが予想されたが、ラスト15分間でセーフティカーがコースイン。マイクナイトコーナーでエンジンブローした車両からオイルが激しく散乱していたためだ。差は一気に詰まって、もしレースが再開されたらどうなることか……と思われたものの、オイル処理には思いの外、時間がかかってSCの先導のままチェッカーが振られることに。これで#13 ENDLESS ADVAN 86が今季4勝目をマークし、#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86は8位に甘んじたことから、チャンピオンが決まったかと思われた。

 しかし、ヘアピンの接触が危険なドライブ行為と判定され、ペナルティで#13 ENDLESS ADVAN 86には30秒加算されて3位に降格。その結果、21ポイント差とするに留まり、最終戦まで王座決定を先送りとしてしまう。そして、繰り上がって#54 TC CORSE iRacing ROADSTERが優勝。シリーズ参戦3年目にして、初めて上がった表彰台が、なんと初優勝となった。2位は#52 埼玉トヨペットGreen Brave86の脇阪寿一/脇阪薫一/松田晃司組が獲得。このトリオにとっても、初めて上がる表彰台となった。

混戦模様のST-5クラスながら、#19 BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FITが連勝!

 ST-5クラスは序盤から、トップが3台で激しく争われた。オープニングラップのうちにトップに浮上したのは、予選2番手だった#69 BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITの大野尊久で、これに続いたのが#19 BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FITの吉本晶哉、そしてクラスポールで#88 村上モータースMAZDAロードスターNDを駆る脇谷猛だった。3台で激しく順位を入れ替え合うも、このうち#88 村上モータースMAZDAロードスターNDが、27周目のピットストップの後、なかなかコースに戻れず。なんとドライブシャフトにトラブルが生じ、修復はなったものの、優勝戦線からは脱落してしまう。

 しかし、その後も2台のBRP★J’S RACING 同門対決は激しく続き、先に最後のピットストップを行なったのは#19 BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FITで、松田智也から古宮正信に代わる際、タイヤは替えずにコースに送り出す。そして、その5周後の76周目に#69 BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITが梅本淳一から大野に代わるも、タイヤを交換することに……。このロスが大きな影響を及ぼしてしまう。大野は15秒ほどあった差を徐々に詰めていくも、そんな矢先に前述のSCランが。追撃の糸口をつかむことなく、無情にもチェッカーが振られてしまう。

 とはいえ、それまでランキングトップだった#17 DXLアラゴスタNOPROデミオSKY-Dの谷川達也/井尻薫/野上達也組は、タービントラブルに見舞われて完走は果たしたものの、入賞ならず。ランキングでは3位に後退し、#69 BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITは、#19 BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FITを9ポイント差で従え、再びランキングのトップに立つこととなった。3位は#11 BLOOD SPORTS WM☆Vitzの三木孝浩/板垣裕之/大西隆生組が獲得し、初の表彰台に上がることとなった。

グループ2総合優勝(ST-4クラス優勝) #54 TC CORSE iRacing ROADSTER

近藤翼

「今回は練習から調子が良くて、本当に速さもあったので、決勝も前に着いていけて、バトルもできました。3人ともペースが良かったので、それが今回の成績につながったんだと思います。今年は出たカテゴリー、これで全部勝てました。特にこのS耐では今年、今まで入賞すらなかったので、本当に嬉しいです」

堤優威

「チームとしても初表彰台で、初優勝で。今回は4位、5位ぐらいまでいけるかと思って行ったんですが、こんなに良い結果になるとは思いませんでした。チームのみんなで、今回は力を合わせて得られた結果です。マツダさんから、ラグナセカのレースに出させてもらって、僕の中ではそれから流れがいいので、こういう結果が出せたのかな、と思います」

加藤彰彬

「苦節3年、特に今年はここまで入賞すらできず、つらいレースが続いていたんですが、今回まさかこんな結果になるとは思いもしませんでした。ただ、練習から調子は良くて、ある程度行けそうなムードはあったんですが、初表彰台がまさか初優勝になるとは! ミスなく3人で最後まで走れたのも良かったんでしょう。まだオートポリスの最終戦が残っていますので、この流れを保っていけたらいいですね」

ST-5クラス優勝 #19 BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FIT

古宮正信

「今年初めてですね、このクラスで2連勝は。テストでここに合わせたセットアップができたことが最大の勝因だと思います。減ったタイヤでもラップを重ねられるセットで、3人が納得できるセットができたので、それがいちばん大きいと思います。」

松田智也

「古宮さんの言うとおり、やっぱりテストに来て、また木曜日から走って、走り込めたのが良かったんだと思います。それでタイヤの使い方など、僕もまだまだなので教えてもらって。バトンをちゃんと渡せたので、安心しています」

吉本晶哉

「最終戦も、この流れで行きたいなって、いうのと、僕らはタイヤを1回交換で行って、ロングに強いセットができたので、それが勝因だったかな。大きな武器になるので、オートポリスもこんな感じで頑張っていきます」

 

(はた☆なおゆき)

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