SUPER TAIKYU

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REPORT

予選レポート Gr.2

ST-4クラスで今季4回目、3戦連続のポールをTOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86が獲得

 スーパー耐久シリーズ第5戦「スーパー耐久レースIN OKAYAMA」が、岡山国際サーキットを舞台に開催され、予選が10月22日(土)に行われた。今回は第2戦以来の2レース開催となり、グループ1では#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田雄大/藤井誠暢/平峰一貴組がポールポジションを獲得。そして、ST-4クラスとST-5クラスによるグループ2では#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の松井孝充/井口卓人/蒲生尚弥がポールポジションを獲得した。

村上モータースMAZDAロードスターNDが、ホームコースで2回目のクラスPPに輝く

 土曜日の岡山国際サーキットは、秋らしい穏やかな天候が期待されたが、朝から灰色の雲に覆われて不穏な状態に。しかも、予選を前にしたサポートレースの決勝は、雨にも見舞われたことからスタート直前には「ウェット宣言」も出されていた。だが、雨が降ったのは、ごく短い時間だったため、路面はすぐに乾いて全車ドライタイヤを装着しての走行となった。

 今回も、その予選はST-4クラスとST-5クラスによる、グループ2からのスタートとなり、Aドライバー、Bドライバー、そしてCドライバーの順で激しいアタック合戦が繰り広げられた。

 ピットが1コーナーに近かったこともあり、最初にコントロールラインを超えたのは、#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の松井孝充だった。しっかりクリアラップを取れた状況で、松井はトップに立ち、その直後に#77 CUSCO with Key’s 86の山田英二の逆転を許すも、その間クールダウンを行なった後、再度アタックを慣行。その結果、松井は42秒378にまで短縮を果たして、再びトップに立つこととなった。

 そして、残り8分の段階でピットに戻り、早々に走行を終了する。それから間も無く山田もタイムアップを果たすが、1分42秒648で松井をかわすまでには至らなかった。3番手は#117 W.S.ENGINEERING S2000 TAIKENの太田侑弥で、1分42秒776をマーク。

  ST-5クラスでは、まず#69 BRP★ J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITの大野尊久が1分48秒783でトップに立つも、これを間も無く#88 村上モータースMAZDAロードスターNDの村上博幸が1分48秒598を記録して逆転。勢いに乗る村上は、次の周にも1分48秒515にまで短縮を果たして、ダメ押しとすることとなった。3番手は#4 THE BRIDE FITの芝谷純三が獲得し、1分49秒492をマークしていた。

 わずか10分間のインターバルの後、続いてBドライバーセッションが行われた。やはりst-4クラスで先頭を切ってアタックを開始したのは、やはり#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の井口卓人だった。まずは1分43秒590を出してトップに立つが、これを逆転したのが#41 TAKUMI×HERO’S SSR ings S2000の石川京侍で、1分42秒321をマークする。井口も直後に短縮を果たすも、1分42秒436を記すに留まり、石川のタイムを破ることはできなかった。なお、3番手は#216 ニールレーシングwithセイコーSSR亜衣86の山谷直樹が獲得。

 そして合算タイムでトップだったのは、#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRITで、これで今季4回目、そして3戦連続でポールポジションから決勝に挑むことになった。2番手は#41 TAKUMI×HERO’S SSR ings S2000が、そして3番手は#77 CUSCO with Key’s 86が獲得。一方、ランキングトップの#13 ENDLESS ADVAN 86は7番手と、少々苦しいポジションから決勝レースに挑むことになってしまった。

 一方、ST-5クラスでは、最初に#69 BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITの梅本淳一が1分50秒を切る、49秒294をマークするも、直後に#88 村上モータースMAZDAロードスターNDの筒井克彦が1分49秒056で逆転。しかし、このタイムをも上回ってきたのが、#2 ホンダカーズ野崎with CUSCO & FUJITSUBOのススム ナカムラで、1分48秒855をマークする。

 しかし、合算タイムでは#88 村上モータースMAZDAロードスターNDがトップで、第2戦SUGO以来のクラスポールを、チームのホームコースで獲得した。2番手は#69 BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITで、3番手は#2ホンダカーズ野崎with BOMEX & FUJITSUBOが獲得した。

ポールポジション(ST-4クラストップ)#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86

松井孝充

「予想よりタイムが出たな、という感じです。前日に同じ状況でアタックして、43秒0だったので、気温が違うというのはあったんですけどね。今回のクルマをチームがすごく良くしてくれて、今までで一番いいバランス。もちろん、もっと良くしていきたいんですけど、今まで乗って来た中ではベストなクルマなので、それがかなりプラスに働いたと思います。決勝もロングのバランスがいいんで、作戦を考えつつ、前でゴールできればいいですね」

井口卓人

「練習から調子も良かったので、そんな大きな失敗しなければ大丈夫だと思っていたんですけど。松井選手選手がいいタイムを出してくれて、基準を作ってくれたので、ある程度予想ができて、僕も冷静にアタックできました。ちょっとトップは、僕のセッションで石川京侍選手が速かったのですが、まぁ想定内だったので、順調に来ています。決勝は天候が微妙なんで分かりませんが、ポールポジションを獲っていることは、天候が荒れてもいい方向でいくと思うので、このポールポジションを生かして、明日のレースもしっかり走りたいと思います。ちょっとずつ(#13 ENDLESS ADVAN 86に)プレッシャーをかけなきゃいけないので頑張ります」

ST-5クラストップ #88 村上モータースMAZDAロードスターND

村上博幸学

「1年間ずっとテストしていましたので、データも豊富にありますから、不安もなくアタックできました。もうちょっと行けるかと思ったんですけど、それでも本当に思ったとおりのタイムが出せました。決勝も速さはあると思いますので、あとはミスもなく淡々と走れば、十分勝機はあると思いますので、しっかり戦います」

筒井克彦

「村上さんの1秒落ちぐらいで走れればいいと思っていたので、スリップストリームが使いまくれて、予想外のタイムが出てびっくりです。スリップ2回も使えて、1秒ぐらい上がりました。だから、本当のタイムは50秒5ぐらいです、すいません(笑)。クルマはバッチリで、引っかかると苦しいんですが、コーナーは抜群ですね、最速マシンです、面白いクルマです。決勝は絡むと苦しいんですけど、直線の速いフィットの方がやや有利だと思うんですけど、十分面白い勝負になると思います」





予選レポート Gr.1

スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが今季3回目のポールポジションを奪う!

 グループ2の予選が終了して、わずか20分後にST-X、ST-1、ST-2、ST-3クラスによるグループ1の予選が行われた。こちらもAドライバー、Bドライバー、そしてCドライバーの順で走行となった。

 ST-XクラスのAドライバーセッションでは、序盤に目まぐるしく順位が入れ替わったが、中盤になってトップに立ったのは、ランボルギーニウラカンを持ち込んだ#108 CARGUYの木村武史で、1分31秒674をマーク。しかし、これを間も無く#8 ARN SLS AMG GT3の永井宏明が1分31秒347を出して逆転するが、これは決定打にはならず。終了間際に逆転を果たしたのは、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田雄大で、1分31秒297をマークしたばかりか、ラストアタックで1分31秒082にまで短縮を果していた。

 孤軍奮闘ということもあり、戦わずしてST-1クラスのチャンピオンを決めた#777 D’station Porsche 991の星野敏ながら、走行中にABSのトラブルが発生。それでもなんとか周回できたこと、そしてBドライバーセッションの荒聖治の走行時には、そのトラブルも解消し、今回は総合12番手から決勝に挑むこととなった。


 ST-2クラスでは、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学が1分39秒657でトップにつけて、2番手は#20 RSオガワADVANランサーの下垣和也。1分40秒657で続いていた。そしてST-3クラスでは、1分39秒937をマークした、#14岡部自動車KYOSHIN195Z34の小松一臣がトップ。これに#34 assetテクノRC350の前嶋秀司が1分40秒168で、そして#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の長島正明が1分40秒326で続き、ポイントリーダーで#38 MUTA Racing TWS IS350を駆る堀田誠は、1分40秒419で4番手となった。

 BドライバーセッションのST-Xクラスでは、ついに1分29秒の壁が崩された。#70 J-Fly Racing R8 LMS Ultraの平中克幸が1分28秒981を記して、新たなレコードを刻むこととなる。これに迫らんばかりの勢いを見せたのが、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢でラスト7分からの走行だったにもかかわらず、1周に集中して2番手には甘んじたものの、1分29秒272をマークする。そして、3番手は1分29秒492で、#3 ENDLESS ADVAN GT-Rの山内秀樹が獲得する。

  そして、合算タイムでは#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rがトップとなり、今季3回目のポールポジションから決勝に挑むこととなった。2番手は#70 J-Fly Racing R8 LMS Uitraで、2戦連続ポールを狙った#8 ARN SLS AMG GT3は惜しくも3番手に留まることに。

 一方、ST-2クラスでは#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの後藤比東至が1分39秒463でトップに立つも、これを#6 新菱オートDIXCELエボXの菊地靖が1分39秒155をマークして逆転する。その後、後藤は1分39秒238をマークした、#20 RSオガワADVANランサーの松本武士の先行も許していた。しかし、合算タイムでは#59 DAMD MOTUL ED WRX STIがトップで、今季4回目のクラスポールを獲得。2番手には#20 RSオガワADVANランサーがつけることとなった。

 ST-3クラスでは#38 MUTA Racing TWS IS350をドライブする韋駄天、阪口良平が1分38秒941をマークしてトップ。これに#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の田中徹が1分39秒306で、そして#23 岡部自動車ゼロサンMBFネットワークスZ34の山崎学が1分39秒749で続いた結果、合算タイムでは#38 MUTA Racing TWS IS350が今季4回目のクラスポールに。2番手は#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34で、3番手は#14 岡部自動車KYOSHIN195Z34が獲得。なお、ランキング2位の#62 DENSO Le Beausset RC350は、5番手から決勝レースに挑むこととなった。

ポールポジション(ST-Xクラストップ)#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R

内田雄大

「藤井さんの神セッティングのおかげで、安心してアクセルが踏めましたし、怖い部分がセッティングというところでなくなったのが、ポールポジションを獲れた最大の要因になったと思います。ウエイトハンデによる重さは、すごくあります。かなり立ち上がりが遅く、富士とはもう比較にならないほどクルマが重いので、そういうマシンではあるんですが、そこをハンデにせずに気を入れなおして、こういうクルマだと思って走りました。決勝はとにかく、できれば優勝したいですけど、そこは意識せずにやっぱりノーミス、ノーペナルティというところを目指して、最後まで走りきりたいです」

藤井誠暢

「まずはポールが獲れて良かったです。それ以上に1ポイント獲れたので、エンドレスに対して、より楽な状況になったし、クルマの仕上がりも悪くありません。特に岡山は抜けないサーキットなので、前からスタートするメリットはあるのでそういう意味ではここまでいい流れで来れたかなと。今シーズン3回目のポールということで、非常に満足しています。明日の決勝は、チャンピオンはあまり意識していないんですが、いつもの流れで。まずちゃんとポイントを獲って帰りたいと思います」

ST-1クラストップ #777 D’station Porsche 991

星野敏

「今年はチャンピオンというより、自分の経験を積むという意味で、ポルシェでフル参戦しようと決めていたので、チャンピオンを獲れたのは嬉しいですけれど、ここまでしっかり完走してポイントを重ねられたということが良かったと思います。予選は電気系統のトラブルで、ABSが効かなかったんですが、こればっかりはしょうがない。でも1周できたので、タイムを出せたので良かったです。岡山はたくさん走れそうなので、またいい経験を積みたいと思います」

荒聖治典

「ちょっとトラブルというか、たまたま不具合が出たみたいですが、ABSが星野選手のアタックの時、効いたり効かなかったりがあったみたいで、一回リセットして。で、僕の時は問題なかったんですが、ふたりで楽しいアタックができなかったのは、すごく残念です。昨日からすごく好調だったんですが、たまたま出てしまって……。まぁ、それ以外はけっこう順調なので、レースでもいいペースで走って、ちょっとでも前に行きたいと思っています。ミスなしでしっかり走って、いいレースしたいと思います」

ST-2クラストップ #59 DAMD MOTUL ED WRX STI

大澤学

「もともと岡山はWRXが得意なコースではないので、本当はポールを狙っていなかったんですが、結果として獲れて本当に良かったと思います。タイム的にはミスもあったんで、そんなに満足はしていないんですが、後藤さんが頑張ってくれて獲れたので、ふたりの力でなんとかなりました。決勝は本当にポイントを獲るのが大事になると思うので、あんまり勝ちにはこだわらずに、確実に完走することを目標としていきたいと思います。その結果として!」

後藤比東至

「昨日はトラブルがいっぱい出て、予選シミュレーションができなくて緊張したんですけど、なんとかうまくまとめられました。もう今は、トラブルは問題なく。決勝は、ここでもう決めるつもりです! 早くスッキリしたいですから」

ST-3クラストップ #38 MUTA Racing TWS IS350

堀田誠学

「僕の方がトップからコンマ5秒ぐらい落としていたんですが、阪口選手がそれを全部取り戻してくれて、ポールポジションが獲れたので本当に良かったです。一応、僕としては40秒台前半を目標としていましたので、なんとかそれはクリアできたんですが、予想外に他のクルマがやはり速かったと、そういう感じでしたね。チャンピオンへの意識ですか……、それはやっぱり早く楽になりたい(笑)。あとはなんでもいうこと聞きますから!」

阪口良平

「今回は予選セットも決まっていて、ふたりが乗りやすい仕様にしてくれたので、それがいちばんポール獲れた要因だと思うし、チームにはすごく感謝しています。ただ、決勝にはガラッとセットを変えます。それぐらいやらないと、このクラスはドライバーもけっこうすごい人がいるんで。ランキング争いしているクルマが下がってくれて、間にST-2のクルマが入ってくれているのは、僕らからすると今のところは最高の状況ですけど、まぁ気を抜かず、明日も頑張ります。早く決めたいですけど、まだ2戦あるので確実に、何が何でもというより、ミスするとか、ピットロードの速度とか接触とかそういうのをなくして、レースをやりたいと思うので、確実に行きたいと思います」

 

(はた☆なおゆき)

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