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REPORT

決勝レポート Gr-1

ENDLESS ADVAN GT-Rがラスト6分間の大逆転で、2勝目をマーク!

 スーパー耐久シリーズ第6戦、「TKU スーパー耐久レースin オートポリス」のグループ1決勝レースが11月20日(日)の午後に行われ、レースの大半を#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田雄大/藤井誠暢/平峰一貴組が支配したものの、ゴールまで残り6分間というところでガス欠症状が生じ、緊急ピットインを強いられることに……。その間に前に出た、#3 ENDLESS ADVAN GT-RのYUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/山内英輝組が第4戦/鈴鹿以来となる2勝目をマークして、一矢報いることに成功した。

 ST-1クラスでは#777 D’station Porsche 991の星野敏/荒聖治組が、そしてST-3クラスでは#38 MUTA Racing TWS IS350の堀田誠/阪口良平組が、それぞれ5勝目をマーク。ST-3クラスでは#7 恒力技巧☆新菱オートDXLエボIXのカルロス本田/佐藤勝博/下山久寿男組が嬉しい初優勝を飾っている。

トップを快走した、スリーボンド日産自動車大学校GT-Rだったが……

 すでにグループ1では4クラスともチャンピオンは決まっているが、それぞれがそれで見応えを欠くことはなく、ドラマが相次ぐこととなった。まず、予選は悪天候のため中止になって、決勝レースのスタート進行の開始とともに10分間のフリー走行が追加された。ここでトップタイムをマークしたのは、#5 Mach MACKERS GTNET GT-Rの星野一樹で、チャンピオンに一矢報いようと牙を剥くこととなった。そして、それぞれクラスごとランキング順で、スターティンググリッドに並べられた。

 だが、決勝ではチャンピオンの貫禄を、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが見せつけることとなった。藤井誠暢がスタートと同時に後続を引き離していったからだ。一時は5秒近く#3 ENDLESS ADVAN GT-Rの山内英輝を引き離したものの、バックマーカーが現れるたび接近を許すことも。それでも逆転は許さなかった藤井は36周目に内田と交代する。しかし、その間にトップに立った#3 ENDLESS ADVAN GT-Rは、山内からYUKE TANIGUCHIへの交代後もトップを譲らず、一時は内田の猛攻を受けるも、やがて引き離しにも成功。勝負は最終スティントで待つ、峰尾恭輔と平峰一貴に託された。

 #24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは56周目に交代、そして#3 ENDLESS ADVAN GT-Rはそれより10周遅く交代を行なったことから、峰尾をタイヤ無交換で送り出すことに。予定では平峰の前に出て、最後まで押さえ続けるはずだったが、コースに入った時には逆転を許していた。無交換のハンデは大きく、差を広げられる一方だった峰尾だが、85周目あたりから平峰のペースが鈍り始める。リードは十分にあったから、守りの走りに入ったのかと思われたのだが……。

 なんと残り6分となった93周目に、#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが突然ピットイン! ガソリンだけを補給してコースに戻った時には、#13 ENDLESS ADVAN GT-Rは遥か彼方。そして逃げ切りを果たして今季2勝目をマークした。#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは2位でフィニッシュ、全戦で表彰台に上がることには成功した。そして3位は白井剛と星野、藤浪清斗のドライブする#5 Mach MAKERS GTNET GT-Rが獲得。

初登場のウラカンスーパートロフェオは、ハンデの重さに泣く

 これまでST-1クラスで孤軍奮闘の続いた、#777 D’station Porsche 991の星野敏/荒聖治組ながら、今回はライバルが出現。#108 CARGUYの木村武史/野間一/林裕介組が投入したのは、ランボルギーニウラカンのスーパートロフェオ。いわゆるワンメイクレースのカップカーだった。フリー走行では#777 D’station Porsche 991をも上回るタイムをマークしていたこともあり、期待は嫌が応にも高まった。実際、林が星野を6周目に逆転。レコードタイムの更新まで果たしていた。そして、29周目には木村と交代するが、ピットストップが長い。これは性能差を考慮して、2分20秒の停止がハンデキャップとして義務づけられていたからだ。

 30周目に荒へと交代、再びトップに立った#777 D’station Porsche 991は、#108 CARGUYとタイムを合わせて走行。次のピットで差を広げられるのは明らかだったからだ。67周目からは再び星野が乗り込み、約40分間をノーミスで走破。今季集大成とする5勝目を挙げて、総合でも8位につけていた。「今後、出るかは分かりませんが、できればもう少しハンデを考えてほしい」と#108 ACARGUYの野間。

ST-2クラスは恒力技巧☆新菱オートDXLエボIXが、悲願の初優勝を果たす

 ST-2クラスでは、#20 RSオガワADVANランサーの下垣和也/松本武士/近藤説秀組がエンジントラブルでわずか4周、そして#6 新菱オートDIXCELエボXの冨桝朋広/菊地靖組がタービントラブルで27周目にリタイアを喫していたこともあり、またも圧勝となるかと思われていた#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至組。ところが59周目に突然ピットガレージに押し込まれてしまう。足まわりにトラブルが発生、修復に4周を要してしまう。その間にトップに立っていたのは、#7 恒力技巧☆新菱オートDXLエボIXのカルロス本田/佐藤勝博/下山久寿男組だった。

 フリー走行で後方から白煙が、とのオフィシャルの指摘もあり、スタート前にはひと騒動あったものの走行には一切支障なし。難なく逃げ切りを果たし、悲願の初優勝を飾ることとなった。

 そしてST-3クラスでは、いつものように#38 MUTA Racing TWS IS350の堀田誠/阪口良平組が圧勝。一時はドライバー交代をギリギリまで遅らせた、#62 DENSO Le Beausset RC350の嵯峨宏紀/中山雄一/久保凛太郎組の接近を許したが、逆転は許さず。一方、その#62 DENSO Le Beausset RC350はラスト6分で最後のピットストップを行い、2位キープを狙ったものの、マージンは十分ではなく、#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の長島正明/田中徹/田中哲也組の逆転を許していた。

総合優勝(ST-Xクラス優勝)#3 ENDLESS ADVAN GT-R

YUKE TANIGUCHI

「ずっとみんなでプッシュしたんで、向こうも攻めてきた結果、ですね。今回の僕は20ラップぐらいしかしていなかったんですが、予選の感じでずっとプッシュしていたので、降りてきたらフラフラでした。たったの40分ぐらいで(笑)。最後は無交換で行ったんです、無交換で行って前に出られなかったから、おかしいな、って」

峰尾恭輔

「最後に勝てて良かったと思うし、運もありましたね。最後、僕らの方が後に入ったからタイヤ無交換で前に出ようと思ったのですが、ピットから出て行った時にちょうどかぶるように抜かれちゃったので……。前に出て抑えるつもりだったのでタイヤもきつくて、もう作戦失敗だったと思っていました。でも、こっちはメカニックがガソリンの量をちゃんと計算して、手堅く強いレースをしたんで、こうやって勝てたと思うので、それはみんなの努力だと思います。今年は24に強さも速さも負けていてつらかったんで、いろんな人に協力してもらって、最後にクルマも速くなって、こうやって対等に戦えるところまで1年間、最後に持っていけて優勝できたので、みんなの努力の賜物だと思いますし、本当に感無量です」

山内英輝

「序盤の自分のペースも良くて、24に着いていけましたし、みんなが頑張って。ああやって追い詰めていたから、計算ミスかもしれないけど、ああいうことも起きるので、最終戦でこういう、いい戦いができて良かったです」

ST-1クラス優勝 #777D’station Porsche 991

星野敏

「ウラカンはすごく速かったですね。でも、勝てて良かった。個人的にもノーミスで終わったので、いい終わり方ですし、良かったです。去年はいろいろミスがありましたが、今年は成長したかなと。嬉しい気持ちでいっぱいです。来年はST-Xでチャレンジしたいと思っています」

荒聖治

「強力なライバルが今回は現れて、クルマとしてはすごく速いと思うんですが、そんな中でもいいペースで走れて、ハンデにも助けられてはいるんですけど、まぁでも、すごくいいレースできたと思います。今回はふたりですごくいいペースで走れたので、本当にいいコンビになったかなって感じられるレースでした」

ST-2クラス優勝 #7 恒力技巧☆新菱オートDXLエボIX

カルロス本田

「スタート前に白煙が上がっているなんて言われていたんですが、あれはAYCの吹き返しだったみたいです。いやね、S耐を20年やったんですけど、初めて優勝できて、しかも新菱の7号車としても初優勝なので、本当にチームのみんなが頑張ってくれたの、すごく嬉しいです」

佐藤勝博

「棚ぼたって言えば棚ぼたなんですけど、勝ちは勝ちなんで、すごく嬉しいです。ちょっと接触もあって、いろいろあったんですけど、今までメカニックの方たちは一生懸命やってくれていたので、やっと応えられて良かったです」

下山久寿男

「みんなのおかげです! 自分だけの力ではないので。実は今回、全然乗れなくて、今日初めて乗ったような感じだったから、予選も乗れなかったので、チームメイトがマージンを作ってくれたおかげで勝てました」

ST-3クラス優勝 #38 MUTA Racing TWS IS350

堀田誠

「なんとか6戦5勝という結果でシーズンを終えることができました。アクシデントがなくても、富士は苦手なサーキットなので、勝てなかったかもしれないんですが……。ここオートポリスでは、やっぱりZが速いと思っていて。そのZにアクシデントもあって、下がったんで序盤に。そのおかげで、なんとか上位を守れて、優勝できたかなと。予想では2位かなと思ったんですが、15号車(岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34)が速かったですからね、最後まで。今回も阪口選手がスタートで前に出て、すり抜けていくのはうまいですからね。そこでだいぶマージンを稼いでくれたのが大きいと思います」

阪口良平

「スタートからST-2クラスの壁を作ル事ができたのと、本当にタイヤを上手に使えたっていうのが一番の勝因だと思うんです。タイヤも左2本しか換えていないんで、僕の後半スティントの時だけで。こないだの岡山と同じパターンで行ったんで、そこでタイムを稼げたのも大きい。あとはもう、無理せず走れました。1年間クルマを作るのを任されていたので、メカニックさんとそこはずっとやってきたから、すごく嬉しいですね、いいクルマを作れて。それを堀田さんも乗ってくれているのが嬉しいですね。本当に完璧なレースでした」

 

(はた☆なおゆき)

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