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突然の心停止(心臓突然死)は、いつでも、どこでも、誰にでも起こる可能性があります。実際に日本でも、交通事故死より多い1日約210人の方が、心臓突然死で命を落としています。
この原因の多くは心室細動と呼ばれるもので、心臓が不規則に痙攣することで心臓のポンプ機能が果たせなくなり、血液を全身に送り出すことができなくなります。そのままでは、脳と心臓に酸素や栄養が届かず、数分で死にいたるといわれています。
最も有効な治療法は、電気ショックによる除細動(原因の心室細動を取り除くこと)です。痙攣が治まれば、心臓は規則的な収縮を再開して、ポンプ機能を取り戻すことができます。
AEDは痙攣を起こした心臓に電気ショックを与える装置。高度な専門知識は必要としません。AEDの装置を起動させると音声ガイダンスによる指示が行われ、電気ショックの必要性もAEDが判断します。
しかしながら、AEDを使用するまで、発見者が胸骨圧迫をし続けることもとても重要であり、世界的ガイドラインでもその重要さが強調されています。胸骨圧迫を行うことで、血液を循環させることができ、その後のAEDによる除細動効果も著しく向上するといわれています。
今回スーパー耐久で実施されたのは、「フクダ電子のAED講習会 PUSHコース」と呼ばれるもの。
一次救命処置の中でも最も重要な
の3つを、約60分で学びます。
第1戦の菅生大会では、参加希望のチームとスーパー耐久関係者が、一人一体の簡易式人形を使いながら実践しました。
スーパー耐久シリーズでは、初の海外シリーズ戦となった2013年5月の韓国大会時に、心臓発作でチームメカニックの方の尊い命を失いました。日本のサーキットにはAEDが備わっていますが、私たちプロモーターもAEDを持ち歩くことの必要性をこの時、より強く感じ、この度フクダ電子様とのご縁があり、このような活動を始めることになりました。
突然の心停止を起こした方の救命率は、除細動(痙攣を取り除くこと)が1分間遅れるたびに約10%の割合で低下していくそうです。救急車が来るまで、AEDを使うまで、発見者である我々が、胸骨圧迫をすることで救命率を上げることができたら・・・。
今回、第1回目の開催となったこのAED講習会では、AEDの使い方だけではなく、胸骨圧迫の方法も実際に練習しました。特にこの胸骨圧迫の方法は、練習しておかなければ予期せぬ事態のとき、慌ててしまいきちんと実践できないかもしれないと感じました。また、さまざまな情報を【知っておく】ことは非常に重要なことです。
各自が心停止の予防に向けた健康状態に気をつけることは基本ですが、自分の目の前で心停止した方がいたとき、いかに迅速に対応できるか、そして胸骨圧迫による心肺蘇生とAEDによる電気ショックで、病院等での二次救命処置につなげることが重要だと思います。
このスーパー耐久のAED講習会は、第5戦岡山大会でも実施予定です。少しでも多くの方々に参加していただき、知識を習得いただけましたら幸いと思っております。AEDを使わなくて済むことがなによりですが、不測の事態が起こったときのために、私たちは今年2016年より、レース時の事務局内にもAEDを常備しながら全国のサーキットを転戦しています。
スーパー耐久機構 事務局長 桑山晴美
※資料提供 フクダ電子
フクダ電子
http://www.fukuda.co.jp/aed/
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