予選レポート
ポールポジションは、なんと3レースともに異なることに!
スーパー耐久シリーズもいよいよ終盤戦に突入し、第6戦の舞台は鈴鹿サーキット。今回は40分のレース開催となり、予選は通常どおり行われるものの、Bドライバーのタイムで第1レースの、Aドライバーのタイムで第2レースのグリッドが決められ、また合算タイムが第3レースのグリッドを決めるとともに、各クラスのトップに1ポイントが与えられることとなっている。まさに緊張感3倍のセッションとなった。
#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの青木孝行がコースレコードを更新
ST-5クラスでは#99 RS☆R DIXCEL NUTECデミオのRYU1が、初のトップに
昨年に引き続き、WTCCとの併催となったスーパー耐久の鈴鹿ラウンド。予選は通常どおり行われ、GT3、ST-1、ST-2、ST-3クラスのAドライバーが走るセッションでは、#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rを駆る青木孝行がトップ。最初のアタックラップで2分2秒728をマークして、レコードタイムを更新する。
これに続いたのは#8もり山R8 LMS ultraからあげの荒聖治で、3秒249を記録。3番手は3秒253を出した、#28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3の片岡だった。この結果、#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが、日曜日の午前中に行われる第2レースのポールポジションに就くことになった。
ST-1クラスでは、孤軍奮闘の#9 Faust Racing BMWの堀主知ロバートが、14秒851をマークして総合でも8番手に。ST-2クラスでは#59 STURM MOTUL EDインプレッサの大澤学が17秒386でトップ。ST-3クラスでは#34 assetテクノZ34の佐々木雅弘が17秒496でトップにつけている。
続いてST-4クラスとST-5クラスのAドライバーが走るセッションでは、開始から8分目に130Rでクラッシュにより横転があり、10分間の中断が。しかし、その前後ともにトップを守り抜いたのが、ST-4クラスの#41 TRACY SPORTS ings S2000を駆る植松忠雄。中断前に記した22秒721を、再開後には22秒559にまで短縮していた。2番手は23秒164をマークした、#58ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5の小林康一。ST-5クラスでは#99 RS☆R DIXCEL NUTECデミオのRYU1が34秒956でトップに立っている。
第1レースのPPは、#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが獲得
ST-3クラスでは、帰って来た「Zの伊橋」で#14岡部自動車KYOSHIN計測Z33がトップ
10分間の遅れがあったため、インターバルを11分に詰めて行われたBドライバーのセッションでは、最初のアタックから#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rを駆る藤井誠暢が、3秒075をマークしてトップにつける。これに#1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3の谷口信輝が、そして#28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3のジョノ・レスタが迫るも、それぞれ3秒123、3秒147を出すに留まり、逆転ならず。これにより、#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが、第1レースにポールポジションから挑むこととなった。
ST-1クラスでは、もちろん#9 Faust Racing BMW Z4の佐藤茂が、16秒404でトップ。ST-2クラスでも#59 STURM MOTUL EDインプレッサの吉田寿博が16秒927でトップにつけた。そして、ST-3クラスでは#34 assetテクノZ34の前嶋秀司を僅差で従え、#14岡部自動車KYOSHIN計測Z33の伊橋勲が17秒687でトップという結果に。
ST-4クラスでは引き続き#41 TRACY SPORTS ings S2000がトップ。井入宏之が22秒123を記録している。2番手は#86 GAZOO Racing TOYOTA 86の井口卓人で22秒565をマーク。
ST-5クラスでは#19 BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィットの古宮正信が34秒921でトップにつけている。
第3レースのPPは、#28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3が獲得
貴重な1ポイントは合算タイムでトップが手にすることに
さて、AドライバーとBドライバーがともにトップだった、ST-1クラスとST-2クラス、そしてST-4クラスでは当然、合算タイムでもトップとあって、#9 Faust Racing BMW Z4、#59 STURM MOTUL EDインプレッサ、#19 BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィットが、それぞれ第3レースをクラス最前列から挑むことになった。
気になるのは、その他のクラスだろう。GT3クラスは特に意外な結果となっていた。合算トップは2台のGT-R、そのいずれでもなく片岡とジョノ・レスタが揃って好タイムをマークしていた#28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3。今季2回目の1ポイントを獲得し、さらに2番手も#1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3だったのだ。
そして、ST-3クラスでは#34 assetテクノZ34がトップ。ここでトップになっていれば、佐藤晋也/吉本大樹/脇阪薫一組の#80 PETRONAS TWS GS350が戦わずにしてチャンピオンに輝いていたのだが、それはかなわず。しかし、あと1ポイント手にすればいいだけに、完走さえすれば栄冠が手に入る。
ST-5クラスでは#19 BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィットが、今季4回目の1ポイントを獲得することとなった。
第1レースポールポジション:#24スリーボンド日産自動車大学校GT-R
藤井誠暢
「計測1周目に出したタイムですが、セクター2で遅いクルマに引っかかったんです。だから、個人的にポールは嬉しいけれど、不完全燃焼なんですよ、気分的には。2周目も行ったけどダメだったし。でも、クルマが非常にいい仕上がりでポールが獲れたからには、今年はまだGT-R優勝していないし、今回は何とか優勝できるように、僕らも3人協力し合って狙っていきたいと思います」
第2レースポールポジション:#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R
青木孝行
「一応、コースレコードでポールポジションが獲れたので、まぁ良かったと思います。ただ、今日の第1レースと明日の第2レースを、僕が走ることになっているので……。まぁ、予選のタイムは昨日、ちょっとトラブルが多くて、手探りでのアタックだったので、どのぐらい行けるかまったく分からなかったんですが、一発めはまぁまぁのタイムが獲れたので。決勝もうまくいけばいいですけど、今日のレースは大事に。優勝したいと思うので前を追いかけていきます。上位のタイムはいつも以上に接近しているので、展開も切迫していくんじゃないでしょうか」
第3レースポールポジション:#28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3
片岡龍也
「予選は可もなく不可もなく……なんですけど、クリアラップが取れなくて要は、タイヤのベストとベストタイムが一致しないタイミングになっちゃって。ただ、青木さんが出した2秒7はちょっと速かったかな。いいところ行っても、3秒ギリギリ切れるかどうか、っていう手応えだったんで、ほぼ自分たちのタイムは出せているんです。逆にうちはドライバーが揃っているから、合算ではトップになれて。どのレースでも上位4台の戦いになるかと思いますが、ただスプリントですから1個でもポールがあれば、非常に楽かと思います。また、チャンピオンシップは1号車との争いなので、ギャップを10から9に詰められたので、もっと楽にして最終戦に挑めるようにしたいと思います」
(はた☆なおゆき)