SUPER TAIKYU

RACES ARCHIVE 2013

REPORT

決勝レポート

GT-Rが今季初優勝を1-2フィニッシュで飾る
TEAM MACHは大会2連覇!

 スーパー耐久第7戦(最終戦)の決勝レースは11月10日に雨と霧のオートポリスで2時間レースとして開催され、フロントローからスタートした玉中哲二/山野直也組の#555 マッハGoGoGo車検GT-Rが優勝。2位にも青木孝行/星野一樹/尾本直史組の#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rがゴールして、GT-Rが1-2フィニッシュを飾った。

悪天候のために2時間レースに
GT3クラスチャンピオンは#1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3が獲得!

 決勝日の早朝に強く降った雨は小やみになったものの、オートポリスは濃い霧に包まれて9時20分から予定されていたフリー走行はキャンセルとなった。その後、13時10分から10分間のウォームアップを予定していたが、それまでに天候は回復せず。そして13時20分の時点で、14時から決勝レースが行われることがアナウンスされた。決勝レースはセーフティカー(SC)スタートとされ、SCランは最低5ラップすること、またドライバー交代は2回以上の義務づけが確認された。

 14時ちょうどに42台の参加車両を引き連れてSCがスタート。この時点でも霧は濃く、5周のSCランだけでレースが打ち切られる可能性もあったため、1周終了時点で32台もの車両がピットインして1回目のドライバー交代を済ませた。さらに2周終了時点でも24台の車両がピットインして2回のドライバー交代の義務を消化。このためピットは大混乱となった。

 さらに霧は濃くなり、また雨が降り出したこともありSCランは続いたが、9周終了時点でSCがピットインしてバトルがスタート。10周目に1回のピットインを済ませた#8 もり山R8 LMS ultraからあげがトップに立った。しかし翌周にはこれを#1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3がかわしてトップに。ところがこの直後に再び天候が悪化したためにSCランとなった。16周終了時点で再びSCが隊列から離れバトルが再開。19周目、第2ヘアピン手前の250Rでクラッシュした車両があり、これを排除するために3回目のSCランとなる。このタイミングでトップの#1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3が2回目のピットインをして、これで#555 マッハGoGoGo車検GT-Rの山野がトップに躍り出ることとなった。



 23周終了時点でレースは再開。ここで追い上げを見せたのは#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの星野で、25周目には2位へ順位を上げてGT-R同士のバトルが始まった。この2台は既に2回のドライバー交代を済ませており、その差は3.8秒。やがて雨は上がりコースは徐々に水がはけていく状態で、2台の差は29周目には2.5秒に縮まった。しかし周回遅れも絡みなかなかそれ以上に2台の差は縮まらない。34周目に星野が1分57秒台の最速ラップを刻むと、翌周には山野が56秒台に入れ、その翌周には星野が最速ラップを更新するというバトルを演じながら、41周目にはその差は1.2秒にまで縮まった。しかし16時のチェッカー時刻まで残り5分を切っており、山野が星野の追撃を振り切って優勝。星野が2位でチェッカーを受けて、GT-Rが1-2フィニッシュを飾ることとなった。「交代してすぐにワイパーが壊れて全く何も見えず、最初の何周かは本当に怖い思いをしました。ピット作業でも時間がかかって遅れを取ったし悔しい」と星野。3位には#28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3がゴールした。

 また#1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3が5位でゴールして、今年のチャンピオンを獲得した。「このチームで3年目のシーズンでしたが、初めてのタイトルを獲ることができてとてもうれしいです。この週末は谷口さんがいなかったので心配でしたが、いい報告ができました!」とメルビン・モーは、3回目のタイトル獲得となったドミニク・アンと共に笑顔を見せた。

最終戦までもつれたST-2クラスは
TOWAインプレッサが10年目の初戴冠

 前でゴールした方がチャンピオン獲得となるST-2クラスのチャンピオン争いは、ポイントリーダーである大橋正澄/阪口良平/松本武士組の#20 RSオガワADVANランサーがクラス2番手、これを追いかける大澤学/吉田寿博/松田晃司組の#59 STURM・MOTUL.EDインプレッサがクラスポールからのスタート。最初の2周で2回のドライバー交代を済ませたインプレッサは松田、3周目に2回目のドライバー交代を済ませたRSオガワランサーは阪口にバトルを託した。序盤はピット作業を素早く済ませた#6 新菱オート☆DIXCELエボIXの菊地靖がトップを走行していたが、27周目に松田が逆転してトップを奪回。阪口も一旦菊地をかわして2位に上がるも1コーナーでコースアウトを喫するなどして後退。路面の水が少なくなるにつれインプレッサが徐々に後続を引き離してトップでゴール。見事逆転でチャンピオンを獲得することとなった。TOWAチームとして参戦10年目の節目で、インプレッサのタイトル獲得は2005年以来8年ぶりとなった。

ST-3クラスはチャンピオントリオが最終戦も制す

 ST-3クラスでは、#35 asset テクノ Z34の小泉和寛が序盤にピットインをせずにコースにとどまり、最初のSCランが終了した10周目の途中まで総合トップを走行。しかし11周目には#34 asset テクノ Z34がクラストップを奪い16周目に2回目のドライバー交代を済ませた。ここで実質クラストップに躍り出たのは既にチャンピオンを獲得している#80 PETRONAS TWS GS350の脇阪薫一。5秒ほど後方には#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の田中徹が走行していたが、脇阪がバックマーカーに引っかかっている間に2台の差は急接近。しかしここから脇阪がムチを入れて徐々に引き離して優勝。チャンピオンの貫禄を見せた。田中は最終周の1コーナーでバランスを崩した隙を、チームメイトの#14 岡部自動車KYOSHIN 計測Z33の小松にかわされ3位となった。

激戦のST-4クラスは
井入/平峰コンビがいきなりのポール・トゥ・フィニッシュを決める

 混戦のST-4クラスは、15周を終えた時点でSCが抜けたのち、やがて鶴田和弥/太田侑弥組の#48 DIJON IS WAKO’S ED DC5、植松忠雄/長野賢也組の#41 TRACY SPORTS ings S2000、そして井入宏之/平峰一貴の#40 車買取り HERO’S S2000、3台の争いとなった。36周目に怒涛の追い上げで平峰がトップに浮上。同チームでシリーズチャンピオンでもある植松も「若者には負けない!」と猛追撃をみせ、鶴田をかわし2位へ。だが、逃げる平峰にあと一歩及ばず、そのままチェッカーとなった。なお、#48号車は、ピットインの規定回数をクリアしていなかったため、1分50秒のタイムが加算され9位へ順位を落とした。

ST-5クラスはチャンピオンのフィットが貫禄勝ち

 既にシリーズタイトルを獲得している、#19 BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’sフィット の奥村浩一/古宮正信。古宮がスターティングドライバーを担当し、1周で奥村と交代。奥村は翌周にピットイン。再び古宮がステアリングを握り、見事ポール・トゥ・ウィン を飾った。じわりと順位を上げてきたRYU1/濱口亮/野村浩史組の #99 RS☆R・DIXCEL・NUTEC デミオが粘りを見せ追い上げを図るも、一歩及ばず2位でチェッカーを受けることとなった。

ウィナー

GT3 クラス

山野直也

「思いのほかいいペースで走れました。スタートは僕でしたが、いつレースが打ち切りになるか分からない状態でしたから1周でピットインして玉中さんに交代。次の周でまたピットインして僕に交代。ピット作業もばっちり決まって、実質トップでコースに戻れましたし、雨のレースで一番前を走るというのは有利ですよね。後ろに81号車が来ているのは分かっていましたが、同じクルマ、同じタイヤなのでとにかくミスしてコースアウトやクラッシュしないよう神経を使いながら走りました。難しいレースで優勝できて良かったです」

ST-2クラス

大澤学

「僕は吉田さんと一緒で1周しか走っていないんですけど、参戦10年目にしてチャンピオンを獲得できるなんて、本当に言葉になりません。レースを続けてくれたことに感謝しないといけません。これまで何度もレースをやめてしまおうと思ったことか! シーズン序盤の得点の大きかったもてぎと富士で勝つことができたのでチャンピオンについては意識していましたが、本当に長く続けていて良かったと思います」

ST-3クラス

脇阪薫一

「2回目のピットインは燃費の心配もあったので、11周目まで遅らせました。誰がどのパートで乗っても速く走れるというのがこのチームの強み。途中でZに追いつかれたのはびっくりしました。遅いクルマに引っかかって手こずっているうちに、そんなに近くにいるとは思いませんでしたが、そこから自分で距離を計って逃げ切ることができました。今夜はシリーズが終わって宴会なのに、格好悪いレースはできませんからね!」

ST-4クラス

平峰一貴

「48号車のピット違反の件は知らなかったのですが、取りあえずチームからは現時点でトップにいるということを聞いてました。だけど、追い越したい! と思ってプッシュしました。このレースウィーク、ほとんど寝ずにブレーキトラブル等を仕上げてくれたメカニックさん方の顔を思い出しちゃって。恩返しをすることができて良かったです。霧も少しは出ていましたが、雨のレースは得意だしほとんど気合で走りました。同じチームの41号車と1-2フィニッシュができたのも嬉しかったです」

ST-5クラス

古宮正信

「スタートを担当しました。こんな状況だから、とにかくピットインを早く消化して、レースのほぼすべてを僕が担当しました。戦略です(笑)。クルマの仕上がりも良かったし何よりポールでしたので、気持ち的には楽でしたけど、さすがに終盤は車体がフラフラして大事に走りました。最終戦を勝って締めくくれたので、シリーズチャンピオン獲得と同時に、二重の喜びでしたね」

 

(皆越和也)

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