予選レポート
開幕戦のPPはスリーボンド日産自動車大学校GT-Rが獲得
スーパー耐久シリーズが、いよいよツインリンクもてぎから始まった。3月29日(土)、好天に恵まれた予選では、Aドライバーの藤井誠暢、BドライバーのGAMISANともにトップタイムをマーク。佐々木大樹とともに走らせる、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rがポールポジションを獲得した。
話題のI.P.S“KURUMA”は予選でクラス3番手に
予選を前にスーパー耐久シリーズはブルテンによって、一部レギュレーションの変更を発表した。まず、ポイントシステムを全6戦すべて有効としていたのを、5戦の有効に変更。また、ホンダS2000は、ST-4クラスのイコールコンディションを保つため、リストリクターの装着が義務づけられた。さらにトヨタ86/スバルBRZは、最低重量をインテグラと同じ1050kgに改められている。
さて予選に先駆け、8時45分から1時間に渡って行われたウォームアップ走行は、藤井誠暢/GAMISAN/佐々木大樹組の#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが、まずは1分53秒457をマークして、これを予選のターゲットタイムに。しかし、このST-Xクラス、今回は当初よりエントリーは3台と寂しかった上に、谷口行規/峰尾恭輔/飯田章組の#3 ENDLESS ADVAN Z4が公式テスト時のクラッシュで壊れたエンジンがドイツから届かず、リタイアということに。そのため、飯田太陽/荻野哲生/小林崇志/高木真一組の#32 ケーズフロンティアDR Audi R8との一騎討ちとなった。
予選の終了から3時間あまり。ウォームアップ走行の勢いそのままに、ポールポジションを獲得したのは#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R。藤井が52秒796を、GAMISANも53秒931をマークしてトップに立ち、#32 ケーズフロンティアDR Audi R8を従えることになった。
ST-1クラスに初登場で、話題を集めるインタープロトシリーズ(I.P.S)の中山雄一/平川亮/畠中修組の“KURUMA”こと、#37 KeePer I.P.Sは3番手に。常連のBMW Z4が上位を独占し、坂本祐也/池田大祐/石原将光組の#51 Diamango BMW Z4が、チャンピオンチームの山野哲也/山野直也/堀主智ロバート組の#9 Faust Racing BMW Z4をも従えた。しかし、
坂本だけが58秒台を記しているのに対し、池田と山野兄弟、そして中山と平川は揃って59秒台をマークしており、戦力は超均衡。決勝では激闘が繰り広げられることだろう。
ST-2クラスでもAドライバー、Bドライバーともにトップタイムだったのが、大澤学/吉田寿博/松田晃司組の#59 STURM MOTUL EDインプレッサ。ライバルを寄せつけず、チャンピオンの貫禄を示すこととなった。2番手は大橋正澄/阪口良平/浅井亮博組の#20 RSオガワADVANランサーで、今回はエボXの仕上がりが十分でなく、使い慣れたエボIXでの出場だ。
そして、ST-3クラスでもAドライバーとBドライバーが、揃ってトップ。前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組の#35 asset ings Z34が、2番手につけた鶴田和弥/兵頭信一/植田正幸組の#38 TRACY SPORTS TWS C-WEST IS350に、合算で2秒4もの差をつけていた。
フィット3がST-5クラスでトップ、約3秒の短縮果たす
ST-4クラスとST-5クラスは、AドライバーとBドライバーとでトップが入れ替わり、それぞれ合算では僅差での争いとなっていた。ST-4クラスではAドライバーのトップは、#41 UEMATSU× TRACY SPORTS ings S2000の植松忠雄。だが、Bドライバーの藤田竜樹がトラフィックにより、3番手に甘んじてしまう。そのBドライバーのセッションでは、#93 SKR ENGINEERING S2000の太田侑弥がトップに。
辛くも植松/藤田/山本幸彦組の#41 UEMATSU× TRACY SPORTS ings S2000がトップながら、気づいてみれば、蒲生尚弥/井口卓人/影山正彦組の#86 GAZOO Racing SPIRIT 86が合算でコンマ2秒差に。蒲生と井口が若さ溢れる走りで、しっかりタイムをまとめてきたためだった。
一方、ST-5クラスでは#95 リジカラFIT3の松井猛敏と中島保典が揃って2分19秒台をマークしたのに対し、対抗馬#99 BRP★J’S RACINGフィット3の奥村浩一が電子制御デバイスの不調で20秒台に留まってしまう。これで難なく#95 リジカラFIT3の逃げ切りかと思われたが、#99 BRP★J’S RACING フィット3の大野尊久が久々のレース参戦だったにもかかわらず、従来のレコードタイムを2秒7も短縮する18秒963を叩き出す。
これに肝を冷やしたのは、もちろん#95 リジカラFIT3のピット。何とか合算でトップだったが、まさかのタイムが叩き出されたからだ。
なお、ST-4クラスに今回デビューの#111 EXPRIDE G-Tech Sportster GT/R、#26 エンドレスアドバントラストヴィッツ(ヴィッツGRMNターボ)は、ともに熟成が十分と言えず、特に#26 エンドレスアドバントラストヴィッツは金曜日に行われた練習走行の3回目がシェイクダウン。#111 EXPRIDE G-Tech Sportster GT/Rはクラス14番手、#26 エンドレスアドバントラストヴィッツは18番手の、ほろ苦いスタートとなってしまった。
ポールポジション:(ST-Xクラストップ)#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R
藤井誠暢
「実際には木曜日の走り出しで1分51秒5が出ているので、タイム的にも不満は残りますし、クルマ的にも少し不安なところがあります。ただ、クルマ自体のセットアップはすごく進んでいて、GT-R GT3の信頼性は問題なく、何よりチームが結成3年目。学生のみんながすごくやる気を出してくれています。ライバルが少ないのは残念ですが、僕らチームはいい流れを維持しています。だから、不安要素さえ解消されれば、決勝でもすごくいいレースができると思います」
GAMISAN
「今年で3年目なので、ここで勝って勢いをつけて、シリーズを狙いたいと思います。自分の走りも(藤井)先生から教えてもらって、ちょっとずつ伸びてきています。レースでは淡々と走って、トップでゴールしたいと思います」
ポールポジション:(ST-Xクラストップ)#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R
藤井誠暢
「実際には木曜日の走り出しで1分51秒5が出ているので、タイム的にも不満は残りますし、クルマ的にも少し不安なところがあります。ただ、クルマ自体のセットアップはすごく進んでいて、GT-R GT3の信頼性は問題なく、何よりチームが結成3年目。学生のみんながすごくやる気を出してくれています。ライバルが少ないのは残念ですが、僕らチームはいい流れを維持しています。だから、不安要素さえ解消されれば、決勝でもすごくいいレースができると思います」
総合3番手:(ST-1クラストップ)#51 Diamango BMW Z4
池田大祐
「クルマのバランスはすごく良くて、チームの雰囲気もすごくいいですから、このまま何の問題もなければ、決勝も行けると思います。去年はトラブルが続いて悔しい思いをしたので、その分を早いこと取り返したいですね」
総合6番手:(ST-2クラストップ)#59 STURM MOTUL EDインプレッサ
大澤学
「昨年もここで初優勝を決めて、そこからチャンピオンへの道がスタートしたので、今年ももてぎは気合いを入れて挑みます。不安はほとんどなく、昨日走った感じでは、ロングも悪くなかったので、クルマもいい感じで仕上がっていました。」
総合9番手:(ST-3クラストップ)#35 asset ings Z34
佐々木雅弘
「クルマがテストの時、すごいアンダーステアだったんですよ、それをちょっと直しただけで、すごいセットが見つかったんです。その状態で前嶋さんに行ってもらい、その後でインフォメーションを聞いて、僕が行ったら、前嶋さんよりちょっとだけ速かった。今年はAトライバーとBドライバーを入れ替え、情報交換をうまくできるようにしたので、それがいきなり効いたという感じですね」
総合19番手:(ST-4クラストップ)#41 UEMATSU× TRACY SPORTS ings S2000
植松忠雄
「今回からリストリクターがついて、最後の伸びが500回転ぐらいなくなったので、少々歯がゆい走りの中で、しっかり予選には合わせることができました。ただ、86も熟成されてきて、長いレースだからブレーキングでやられそうな気が。こっちは重いし、ブレーキも1ポッドなので最後まで保たない可能性があるんです。だけど、S2000ファンのためにも、最後まで諦めず頑張ります」
総合36番手:(ST-5クラストップ)#95 リジカラFIT3
松井猛敏
「99号車の奥村さんに何があったか分からないですが、昨日のタイムを見る限り、あんな感じじゃないと思うんですよね。でも、僕が貯金できていたから、合算ではぎりぎりセーフでした。まさか大野選手があんなタイム出してくるとは、ちょっと焦りました。決勝は多分雨なので、ミスのないように……。それだけです」
(はた☆なおゆき)