第3戦プレビュー
夏の祭典には過酷かつ、大激戦の予感あり!
スタートとゴール以外は、のんびり観戦しても
スーパー耐久シリーズ第3戦は、7月26日(土)〜27日(日)に富士スピードウェイを舞台に、今季国内四輪レース最長となる7時間レースとして開催される。レースの長さもさることながら、7月下旬ということもあり、暑さもかなり厳しくなるのは必至。間違いなく、過酷極まりないレースになることだろう。
そこでサーキットに訪れる観客の皆さんにご提案。決勝のスタートとゴールは必見ながら、その途中は少し力を抜いて見て欲しい。そうでないと炎天下で体力は奪われ、さらに言うならばレース観戦がつらいということにもなりかねない。
レース中はスタンド裏で買い物をしたり、イベントを見たり。あるいは普段のレースでは訪れないような観戦ポイントに、足を運んで欲しい。また、通常の観戦券でパドックにも入れるので、タイミングが良ければドライバーに直接サインをもらうことも可能かも。
お薦めの観戦スケジュールとしては、まずスタート直前はスタンドで。華やかな雰囲気を楽しみつつ、2周のフォーメイションラップ後のスタートシーンは必見だ。グリーンシグナルが点灯するまでの駆け引き、そして点灯後のつばぜり合い。これは迫力十分であるはずだ。できれば、それから最初のピットまではスタンドで観戦して欲しい。どんなふうにドライバー交代やピット作業が行われるのか、じっくり見ることをお薦めしたい。
それを見たら、フリータイム。いろんな観戦ポイントで見たり、のんびりしても。ただし、耳はできるだけアナウンスに。バトルが勃発すれば、それを伝えてくれるはずだから、どのクラスであろうと楽しむべし。そういう時だけは、集中するといいだろう。
ゴール間際になったらスタンド前に戻って、チェッカーを受けるマシンに注目しよう。優勝チームの走行を終えたドライバーがピットで歓喜する姿などは見逃せない。最後は表彰式で、頑張ったドライバーたちの健闘を称えたい。
もちろん、水分補給は欠かさずに。脱水症状や熱中症になってしまったら帰るのも大変。つらい思いばかりが残ってしまう。とにかく健康管理は怠らずに!
6クラス中4クラスが、開幕から未だ土つかず
6クラスで争われるスーパー耐久は、今年まだ2戦を終えただけに過ぎないとはいえ、そのうちの4クラスが開幕2連勝を飾っている。まず、ST-1クラスでは#9 Faust Racing BMW Z4、ST-2クラスでは#59 STURM MOTUL EDインプレッサ、ST-3クラスでは#35 asset ings Z34が、そしてST-5クラスでは#95リジカラFIT3が猛威を振るい続けている。もちろん、いずれも決して楽に勝っているわけではないが、長年参加し続けているチームで、勝利の美酒を何度も味わっていることもあり、ラッキーな勝利でもない。いわば実力でもぎ取っているだけに、快進撃を続ける可能性は十分にあろう。
その上で、今回のレースで対抗馬になりそうなのは……。まずST-1クラスだが、#37 KeePer I.P.Sであるのは間違いない。富士育ちの“kuruma”にとって最も性能を発揮できる場であるばかりか、前回もゴール間際までトップを快走。熱でセルが回らぬ不運でリタイアを喫したが、今度こその期待がかかる。ST-2クラスでは何と言っても#20 RSオガワADVANランサーだ。インプレッサにひけをとらぬパフォーマンスを見せてくれるだろう。
ST-3クラスでは、OKABEJIDOSHA motorsportsとTRACY SPORTSの包囲網が、きっと#35 asset ings Z34に襲いかかるに違いない。また、ST-5クラスでは同じフィット3の#2ホンダカーズ野崎with BOMEX、#99 BRP★J’S RACINGフィットを合わせた三つ巴の戦いとなりそうだが、忘れてはならないのが#17 DIXCELアラゴスタ・NOPROデミオだ。昨年のレースを制しており、実は長丁場のレースが得意。何はともあれ、どのクラスも激戦になりそうだ。
一方、どこが勝つのかわからない期待感が膨らむのが、ST-XクラスとST-4クラス。ST-Xクラスでは第1戦を#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが、第2戦を#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが制覇。どちらが先に2勝目を挙げるのか、それとも3チーム目のウィナーが誕生するのか? 今回は5台での戦いとなるが、#16 GAIA POWER BMWが今季初登場。その未知なる戦闘力に期待がかかる。このクラスのみプラチナドライバー制度が取り入れられており、レースの40%しか走れないため、どのタイミングで投入するかが勝負の鍵を握りそうだ。
ST-4クラスでは第1戦を#58ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5が、第2戦を#13 ENDLESS ADVAN 86が制覇。エンジンパフォーマンスの生きるもてぎではホンダ車が、そしてコーナリングパフォーマンスが生きるSUGOではFRの86が、という具合に特性そのままの展開になっているのが興味深い。ことストレートの長い富士では、もてぎ同様ホンダ車が有利と予想されるが、もし雨でも降ろうものなら、状況は一変する可能性もある。
なお、このST-4クラスには久々に海外からのエントリーも。#96 孚海車業×SPOON S2000を台湾から訪れるLIU Tin-YungとYEN Pin-Kuanがドライブ。このふたりを木下隆之と黒澤琢弥がアシストする。
55台の熱い戦いを楽しみにしたい。
(はた☆なおゆき)