予選レポート
#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが2戦連続でPPを獲得!
7月26日(土)、スーパー耐久シリーズ第3戦の予選が、静岡県の富士スピードウェイを舞台に行われた。コンディションに恵まれたというより、むしろ路面を焦がすような強い日差しの中での走行となり、極めてアタックには困難を極める中、星野一樹/尾本直史/青木孝行組の#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが、2戦連続のポールポジションを獲得した。
ST-2クラスの#59 STURM MOTUL EDインプレッサが3戦連続でトップに
今回も金曜日に専有走行が1時間ずつ3セッション行われ、まずは予選のターゲットとなる最速タイム、1分41秒947を記したのは#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの星野一樹。#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは絶好調で、3セッションすべてでトップタイムを記録している。「ベストタイムを出したのは、少し涼しかった最後のセッションで、履いたタイヤは中古。いちばん暑かった2回目に新しいタイヤを履いて42秒117を出せましたが、予選でも41秒台は確実に出ると思います」と星野は語った。
土曜日の11時05分からスタートした予選は、予報どおり天候に恵まれドライコンディションで行われた。最速タイムをマークしたのは、専有走行からの好調ぶりを維持した星野だった。自身で掲げていたターゲットを遥かに上回る、40秒354をマーク。Bドライバーの尾本直史は2番手に甘んじたものの、合算タイムではトップだったこともあり、#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの、前回のSUGOに続く2戦連続でのポールポジションが決定した。2番手は藤井誠暢/GAMISAN/高星明誠/佐々木大樹組の#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが獲得し、今季初登場の横溝直輝/HIRO/密山祥吾/Takashi組の#16 GAIA POWER BMWが3番手で続くこととなった。
ST-1クラスでは、Aドライバー、Bドライバーともトップだった坂本祐也/池田大祐/石原将光/余郷敦組の#51 Diamango BMW Z4がトップ。これに中山雄一/平川亮/畠中修組の#37 KeePer I.P.Sが続いている。なお、3連勝を狙う、#9 Faust Racing BMW Z4は前週のPCCJレース中に腰を痛めてしまった山野直也が大事をとって欠場。土屋武士が代役として起用され、堀主知ロバート、佐藤茂とトリオを組むこととなった。
ST-2クラスでもAドライバー、Bドライバーともにトップだった大澤学/吉田寿博/松田晃司組の#59 STURM MOTUL EDインプレッサがトップ。これで開幕以来、3戦連続で貴重な1ポイントを獲得している。2番手は大橋正澄/阪口良平/花岡翔太組の#20 RSオガワADVANランサーが獲得。今回はエボXを持ち込み、金曜日の専有走行を走ったものの、1セッションでエボIXに戻し、ニューマシンのデビューはまたも次回以降に持ち越されることになった。3番手は冨桝朋広/菊地靖組の#6新菱オートDIXCELエボIXが獲得。
敵はチームメイト! ST-3クラスでは#35 asset ings Z34が他を圧し、3戦連続でトップに
ST-3クラスでここまで2連勝の、前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組がまたしてもトップに。もちろん前嶋、佐々木ともトップで、チームメイト同士のバトルはコンマ1秒差で前嶋に軍配が上がった。これでトップは開幕から3戦連続、決勝も盤石の構えであるのは、DドライバーにGT500ドライバーの安田裕信を加えていることからも明らかだ。2番手は山崎学/伊橋勲/安宅光徳組の#14岡部自動車サントラント195マイカーズZが獲得したが、合算タイムでは2秒半もの差をつけられてしまっている。3番手は松原怜史/藤波清斗/大西隆生組の#34 asset ings Z34が獲得した。
そして、合算タイムの差がなんとコンマ001秒という超僅差だったのがST-4クラス。植松忠雄がトップタイムをマークし、Bドライバーの藤田竜樹こそ3番手だったものの、合算でトップは#41 UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000。今回は寺西玲央と佐々木孝太を加えての戦いとなる。あと一歩のところで涙を飲んだのは、中村嘉宏/浜野彰彦/井入宏之/鈴木優組の#92 SKR ENGINEERING S2000で、3番手は吉本晶哉/太田侑弥/松井隆幸/上別府将司組の#93 SKR ENGINEEING S2000が獲得している。
ST-5クラスでは、松井猛敏/中島保典/荒聖治組の#95リジカラFIT3の牙城が、ついに崩れた。トップの座をもぎ取ったのは、梅本淳一/奥村浩一/大野尊久組の#99 BRP★J’S RACINGフィット3。3番手にも山下潤一郎/山田英二組の#2ホンダカーズ野崎with BOMEXがつけ、またしてもフィット3勢で上位が独占されることとなった。
なお、決勝レースは7月26日(日)の11時にスタート。7時間にも及ぶ長丁場が、大激戦となるのは間違いないだろう。
ポールポジション:(ST-Xクラストップ)#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R
星野一樹
「練習走行も全セッショントップで、クルマは調子良かったので、自分がアタックを決めれば、行けるのは分かっていました。暑いので2周、3周行くのは無理だと思っていたので、すべてを1周に凝縮しました。ミスなく完璧に走れたラップだったので、本当にこの上ないポールにできました。昨年は最後に悔しい思いをしているので、今年は力強いレースをして僕らがトップで、GT-Rのワンツーフィニッシュできたらいいですね!」
尾本直史
「青木くんが、スーパー耐久のサポートレースである『GAZOO Razing 86/BRZ Race』とのWエントリーで忙しそうだったことと、クルマの調子良かったので、久々に僕が予選をやってみようということになって。ガレージでやってきたことに効果も出ているし、一樹がアドバンテージをとってくれたから、比較的ラクな気持ちで行けましたね。今回はセットがすごく決まっているので、いい準備ができたという感じです」。
総合6番手:(ST-1クラストップ)#51 Diamango BMW Z4
池田大祐
「クルマもまったく問題なく、ドライバー的にもみんなまとまっているので、トップが獲れました。でも、7時間もある決勝は難しいですね。相手次第じゃないですか、自分たちは淡々とレースするだけなので。去年、この富士のレースではクルマが壊れちゃっているので、今年はそういうことがないよう、しぶとく行きます」
総合9番手:(ST-2クラストップ)#59 STURM MOTUL EDインプレッサ
吉田寿博
「金曜日から何のトラブルなく、怖いぐらいコンスタントに走れています。クルマのセットアップもうまくいって、ずっといいタイムで走れています。予選もポールの1ポイントを獲ろうと思っていたので、うまく獲れて良かったです。ただ、大事なのは決勝で、7時間もいかにクルマとタイヤのマネージメントを、ドライバーができるかな、というところが鍵かなと。トラブルなく走り切れば、3連勝も見えてくると思います」
総合7番手:(ST-3クラストップ)#35 asset ings Z34
前嶋秀司
「練習に計測したのは1周だけ。あとはふたり(廣川和希と安田裕信)に走ってもらいました。肝心なのはこれから。理想は最初のうちに逃げて、あとは後ろのペース見ながらという感じですが、14号車が来そうな感じがするなぁ。そのへんをうまく見ながらやれればいいかな。今回は正直言って大事に行きたいと思います。ポイントも大きいレースですからね」
総合22番手:(ST-4クラストップ)#41 UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000
藤田竜樹
「ローターにトラブルがあってブレーキで行けなかったんですが、それでも植松さんがトップの見えるタイムを出してくれたので、僕はすぐピットに入ったんです。その後、何台かに前へ行かれたけれど、もう一発行って僕は3番手に。それでも植松さんがガンバってくれたおかげでポールは獲れ、タイムも温存できました。すごい僅差でしたけれど、結果的に良かった。7時間の耐久ですから予選はそう重要ではないですが、最後にこの1ポイントが効いてくるかもしれませんね」
総合46番手:(ST-5クラストップ)#99 BRP★J’S RACINGフィット3
奥村浩一
「ここ富士に入って、ようやくいいセットアップが見つかりました。もてぎ、SUGOとセットアップ不良で、その上SUGOではトラブルもあって、非常に苦しい戦いでしたが、富士に入ってから、非常に流れがいいんですよ。とにかく足のセットアップが抜群に決まっているので乗りやすく、自信を持って決勝を迎えられそうです」
(はた☆なおゆき)