SUPER TAIKYU

RACES ARCHIVE 2014

REPORT

第5戦プレビュー

初の試みじゃない、耐久2レース開催

土曜日と日曜日に140分レースを2クラスに分けて開催

 鈴鹿サーキットを舞台とするスーパー耐久は、シリーズ第5戦として今年もWTCCこと世界ツーリングカー選手権と併せて開催される。そのため、ピット数に制約があることから、昨年は40分のスプリントを3レース開催。これもまた新しいスタイルと言えるが、140分の耐久に戻されることになった。数チームでピットをシェアするのは昨年同様ながら、6クラスをふたつに分けて土曜日にST-4クラスとST-5クラスの決勝を、そして日曜日にそれ以外のクラスの決勝を行うのだ。

 実はこのレーススタイル、初めてではない。91年の4月に一度だけ、仙台ハイランドでクラス1とクラス2、そしてクラス3とクラス4を分けて、それぞれ300kmレースとして行われている。当時は今以上にエントリーが多く、予選落ちさえ出た時代。中にはコンソレーションを設けた大会もあったが、全車を同じ条件で走らせようと、こういうレーススタイルにしたのは間違いない。ちなみにこの大会のエントリーは28台、32台。スカイラインGT-Rだけで14台を占めた、まだN1耐久ラウンドシリーズだった、その初年度だ。

 このレースシステムには、普段注目されにくい下位クラスも主役になれるメリットがある。それが証拠に、そのたった一度のレースはクラス1とクラス2の展開は忘れてしまっているのだが、クラス3とクラス4の方は、筆者もかすかに覚えている。シビックを駆る横島久の激しい追い上げで優勝したと……。また、もうひとつのメリットは、クラスの異なる車両を抜く、抜かれるリスクが減ることだ。もちろん、そういったことをスムーズに行うのもテクニックのうちだが、リスクの軽減は誰もが歓迎するに違いない。

 タイムスケジュールの関係上、予選が行われないのは残念ではあるものの、グリッドはランキング順に決められる。つまり、ここまでのシリーズを通じて最も強かったチームが、クラスごと最前列に並ぶわけだ。2回のドライバー交代は通常どおり義務づけで、タイヤ交換も1回のみ義務づけとなっているため、もう1回を無交換とするチームが多いのではないだろうか。

チャンピオンが決まりそうなクラスは……

 第3戦までウィナーが入れ替わっていたST-Xクラスは、前回ついに星野一樹組の#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが2勝目をマークし、ランキングのトップに浮上した。だが、このクラスはトップ3の差がわずか7.5ポイントとあって、バトルは最後まで熱く繰り広げられそう。ちなみに今回、プラチナドライバーが乗車可能なのは56分。スタートから逃げていくのか、途中からの起用で差を詰めていくのか、そのタイミングも勝敗の鍵を握るに違いない。

 ST-1クラスは今回も一騎討ちながら、中山雄一組の#37 KeePer I.P.Sが2連勝を飾って、堀主知ロバート組の#9 Faust Racing BMW Z4に迫りつつある。現在の17.5ポイント差は小さくないものの、残りすべて勝てば十分逆転可能。逆に言うと、間に他のクルマを挟めないだけに、両チームともリタイアは禁物だ。

 今回で決まる可能性があるのが、ST-2クラスの大澤学組、#59 STURM MOTUL EDインプレッサだ。優勝すれば文句なし、また2位でも大橋正澄組の#20 RSオガワADVANランサーが3位以下なら2連覇達成。しかし、今回RSオガワは3台体制とあって、勝ってなお間に挟もうと必死の抵抗を見せるのは確実である。

 開幕4連勝によって、すでにチャンピオンが決まっているのはST-3クラスの前嶋秀司組、#35 asset ings Z34だ。しかし、あえて前回のレポートでそのことに触れなかったのは、気づかなかったのではなく、チーム監督の「まだ決まっていない」という意志を尊重したから。ここまで来たからには全部勝たねば、と強く思っているからなのかもしれない。

 植松忠雄組の#41 UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000、小林康一組の#58 ウインマックスTEINワコーズKRP☆DC5の一騎討ちの間が強くなってきたST-4クラスながら、王座獲得の可能性は、まだ他にも5チームに残されている。ただし、今回の結果で一気に絞られるはずだ。トップ2台は、いずれも鈴鹿がホームコース。ここで勝って王手をかけたいところ。

 そして、ここまでの4戦、チームこそ異なるものの、すべてフィット3で優勝が飾られてきたST-5クラスながら、状況に変化が表れるかもしれない。というのも、今回からフィット3の最低重量が見直され、960kgとされたからだ。これにより、実質30〜40kgのウエイト追加を余儀なくされている。しぶとく2位につける、野上敏彦組の#17 DIXCELアラゴスタNOPROデミオにチャンス到来となったが、トップの梅本淳一組、#99 BRP★J’S RACINGフィット3は、すでに26ポイントものマージンがあるため、今回2位に入れば2連覇が決まる。このチームの安定感からすれば、その可能性は決して低くないはずだ。

 

(はた☆なおゆき)

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