SUPER TAIKYU

RACES ARCHIVE 2014

REPORT

決勝レポート

#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが独走優勝でチャンピオンを獲得

 スーパー耐久シリーズ2014最終戦の決勝レースは、11月9日に曇天のオートポリスにおいて3時間レースとして行われ、尾本直史/星野一樹/青木孝行組の#81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが3 連勝で今季4勝目を挙げ、ST-Xクラスのチャンピオンを獲得した。またこのレースの結果、ST-1、2、4、5クラスのチャンピオンも確定した。


 前夜から降り出した冷たい雨は、朝のフリー走行の間に止み、13時23分、曇天、気温15℃というコンディションで3時間の決勝レースは始まった。コースはうっすらと濡れてウェットパッチも各所に見受けられたが、スタート直後には日射しも出てレースが進むに連れて路面は徐々に乾いていった。

 4位以上でチャンピオンという#81 GT-Rは青木がスタートを担当。予選2位から逆転チャンピオンを狙う#3 ENDLESS•ADVAN•BMW(峰尾恭輔/YUKE TANIGUCHI/飯田章)は飯田がピタリと青木につけ、10周目の最終コーナーでトップを奪い2台の車両がトップ争いを展開した。しかし29周目の2コーナーで青木が再び逆転すると、飯田は距離を離され31周でピットイン。左フロントの足回りのトラブルを抱え修復に時間を要し、これで#81 GT-Rのチャンピオンがほぼ確定した。

 青木は2位に40秒以上のリードをつけるとひとり旅。37周でピットインすると尾本に交代し、さらに開始2時間を経過したころに発生したクラッシュのためにセーフティカー(SC)ランとなると、そのタイミングで2回目のピットインを行い星野に交代。星野は1分49秒354のファステストラップを叩き出しながら2位以下をラップ遅れにしたままトップチェッカー。優勝で自身のチャンピオン獲得を祝った。2位は#16 GAIA POWER BMW(横溝直輝/HIRO/密山祥吾)。#3 BMW Z4は修復を終えてコースに復帰し3位だった。

ST-1は#37 KeePer I.P.Sが逆転で戴冠

 #9 Faust Racing BMW Z4(堀主知ロバート/佐藤茂/土屋武士)と#37 KeePer I.P.S(アンドレア・カルダレッリ/山下健太)の一騎打ちとなったST-1クラスは、2回のピットイン時にそれぞれ50秒のハンディキャップストップを背負いながらも#37 I.P.Sが#9 BW Z4を周回遅れにして圧倒。助っ人ドライバーの活躍で逆転でチャンピオンを獲得した。

まさかの決着となったST-2クラスはインプレッサの連覇

 インプレッサかランサーか? 予選トップから逆転タイトルを狙った#20 RSオガワADVANランサー(大橋正澄/阪口良平/松本武士)は、レーススタートからポイントリーダーで予選2位の#59 STURM・MOTUL・EDインプレッサ(大澤学/吉田寿博/松田晃司)を引き離して独走状態に。しかし23周目に入った途端突然スローダウンして2コーナー先でまさかのストップ。「ストレートに入って4速から5速に上げた途端に音がして……燃料系か電気系のトラブル? 速さは見せられたんだけど」と阪口。これで#59 インプレッサの連覇が確定したが、吉田から大澤、松田と堅実にバトンをつなぎ優勝でチャンピオンを獲得した。

ST-3クラスは#34 asset ings Z34が初優勝を飾る

 前日初のポールポジションを獲得した#34 asset ings Z34(藤波清斗/松原怜史)は、スタートで藤波がスタートをミスして順位を落とすも3周目に再びトップを奪うと、2位以下を置き去りにして独走状態に。中盤は松原がそつなく周回を重ね、SC後は2位にほぼ半周の差をつけてトップチェッカー。うれしい初優勝を遂げた。2位は#38 TRACY SPORTS TWS IS 350(兵藤信一/植田正幸/鶴田和弥)。既にチャンピオンを決めていた#35 asset ings Z34は、2回目のピットイン時にオルタネーターのトラブルでリタイアだった。

激戦のST-4は#93 SKR ENGINEERING S2000(吉本晶哉/石川京侍)が初優勝

 15台のエントリーを集めたST-4クラスは、序盤からポイントリーダーである#41 UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000(植松忠雄/藤田竜樹/寺西玲央)の植松と#86 GAZOO Racing SPIRIT 86(蒲生尚弥/井口卓人/松井孝允)の井口が順位を入れ替えながらの激しいトップ争いを展開。植松が先にピットインすると井口が独走状態となったが、途中からペースが上がらずピットインした際にチェックに時間を要し大きく順位を落としてしまった。SC後は#41 S2000、#93 SKR ENGINEERING S2000(吉本晶哉/石川京侍)、そして#52 埼玉トヨペットGreen Brave(番場琢/服部尚貴/平沼貴之)によるトップ争いとなったが、65周で#41 S2000の植松が突然のピットイン。他車両との接触で左フロントタイヤがパンクチャーしてこれを交換してコースへ戻ったが、順位を3位に落とすことになった。これで#93 S2000がうれしい初優勝。#41 S2000は3位表彰台で連続チャンピオンとなった。

ST-5クラスは#99 BRP★J’S RACING フィット3がタイトル奪取

 予選で4台の車両がコースレコードを更新したST-4クラスは、序盤#2 ホンダカーズ野崎 with BOMEX(山下潤一郎/山田英二/荒井康裕)の山下がトップを奪ったが、それに#95 SPOON FIT3(松井猛敏/中島保典/荒聖治)の荒が追いつき逆転トップに立った。ポイントリーダーでクラスポールの#99 BRP★J’S RACING フィット3(梅本淳一/大野尊久/奥村浩一)は、無理をせず決めたラップタイムで3位を安定走行していった。レースの残り30分ほどとなったころ、突然トップの#95 フィットがピットインして頭からガレージへ。駆動系のトラブルでこれでリタイアを喫すこととなった。これで#2 フィットがトップに繰り上がり岡山に続き2勝目。確実な走りで2位ゴールの#99 フィットがチャンピオンを獲得した。

総合優勝:(ST-Xクラス優勝&チャンピオン) #81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R

尾本直史

「事前に立てていた作戦どおりにレースが運び、セーフティカーのタイミングも絶妙でした。オートポリスで初めての優勝でこれでチャンピオンも獲れて本当にうれしいです。やっとトップクラスでタイトルを獲ることができましたが、今年はチームマッハとジョイントしてSUPER GTとS耐の両方でノウハウを詰めることができたことが大きかったですね」


総合3位:(ST-1クラス優勝&チャンピオン)  #37 KeePer I.P.S

アンドレア・カルダレッリ

「初めてのクルマでしたが、いいレースになりました。ケンタ(山下)も初めてのクルマで初めてのオートポリスで初めての耐久とふたりとも初めてづくしで長いレースでしたが楽しめました。簡単ではなかったですが、スポンサーにタイトルをプレゼントできて良かったですね」



総合5位:(ST-2クラス優勝&チャンピオン) #59 STURM・MOTUL・EDインプレッサ

大澤学

「オートポリスは不慣れなコースで去年も満足に走れていませんでしたし、予選もミスしてしまってました。今日は僕が走る時点でチャンピオンは確定していたのですが、苦手を克服しないといけないと全力で走りました。勝って決めたいと思っていたので本当にうれしいです」



総合6位:(ST-3クラス優勝) #34 asset ings Z34

藤波清斗

「初優勝は最高です。今年からS耐に参戦するようになりましたが一度も勝てず悔しい思いがありました。スタートもミスしてしまって反省しないといけない部分はまだまだありますね。長丁場のレースでしたが松原さんも頑張って走ってくれましたし、本当にうれしいです。来年につなげたいと思います」


リタイア:(ST-3クラスチャンピオン) #35 asset ings Z34

佐々木雅弘

「今日は残念なことにリタイアになってしまいました。前の鈴鹿から流れが良くなかったですが、開幕から4戦連続でポール・トゥ・フィニッシュができて早くチャンピオンを獲ることができました。Z34にチャンピオンを獲らせてあげることができて本当に良かったです」


総合11位:(ST-4クラス優勝) #93 SKR ENGINEERING S2000

吉本晶哉

「ラッキーの一言です。走り始めの木曜はエンジンがおかしくて土曜日の予選でようやく足回りのセッティングが決まったような感じでした。雨を予想してそれ用のセッティングを煮詰めて行ったんですがそれが決まったんでしょうね。もちろん初優勝で、オートポリスが好きになりました」



総合14位:(ST-4クラスチャンピオン) #41 UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000

植松忠雄

「チームにお世話になって3年目で連続チャンピオンが獲れました。来年もこのチームで出場したいと思っています。日本中のS2000のファンに『S2000はまだまだイケます』と言えたでしょうか? チームに相方にそして応援してくださった方々に感謝したいですね」


総合25位:(ST-5クラス優勝) #2 ホンダカーズ野崎 with BOMEX

山下潤一郎

「初めて作ったチームだったのでシリーズ序盤こそ苦戦しましたが、逃げ切って2勝目を挙げることができましたしシリーズ2位になれました。終わり良ければすべて良しということで来年も増えるであろうフィット3で戦いたいと思います」



総合26位:(ST-5クラスチャンピオン) #99 BRP★J’S RACING フィット3

梅本淳一

「いいメンバーに恵まれましたし、スポンサーに感謝です。今年はライバルが手強く、SPOONも強かったしBOMEXも速かった。そんな激しい争いのなかレースを楽しませてもらいました。決勝はとにかくリタイアしないよう用心しながら走りましたが、表彰台に立ててタイトルを獲れて本当にうれしいです」

 

(皆越和也)

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