第6戦プレビュー
5クラスで最後まで争われるタイトル
逆転するには、勝つしかない!
ご存知のとおり、スーパー耐久は6クラスが設けられており、これだけ多ければ最終戦を待たずして半分ぐらいが例年ならば、チャンピオンが決まっているもの。ちなみに昨年は、ひとつ前の鈴鹿大会が3レース制だったこともあり、1レースごと1クラスずつチャンピオンが決定するという、何か不思議な秩序が保たれたこともあったのだ。
しかし、今年はというと、すでに決まっているのはST-3クラスで#35 asset ings Z34を駆る、前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組だけ。他の5クラスでは、この最終戦まで決定が持ち越されている。それだけ激戦が繰り広げられてきたということで、シリーズの盛り上がりを示す最大の証明とも言えるだろう。
では、チャンピオン決定の条件は……。細かく語るより、次の表を参照してもらった方が分かりやすいだろう。

いずれのクラスも一騎討ちであるのが興味深く、実力伯仲の戦いが繰り広げられてきたのが分かる。単純に、勝った方に軍配が上がるのは、ST-1クラスとST-2クラス。また、台数の関係で、リタイアさえしなければ、2位のチームの優勝を許しても逃げ切れるのが、ST-Xクラスである。13.5ポイント差あるのがST-1クラスで、6.5ポイント差しかないのがST-2クラス。倍ほど違うのに同じような状況となっているのは、有効ポイント制度による。
そして、ややポイントリーダーに余裕があるのは、ST-4クラスとST-5クラスだ。ST-5クラスの#99 BRP★J’S RACINGフィット3を駆る、梅本淳一/奥村浩一/大野尊久組は、もし#95 SPOON FIT 3の松井猛敏/中島保典/荒聖治組の優勝を許しても3位に入れば、2連覇達成。梅本組が予選トップであるなら、4位でフィニッシュすればいい。
さらに余裕のあるのは、ST-4クラスの#41 UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000を駆る、植松忠雄/藤田竜樹/寺西玲央組だ。ここは#58 ウインマックスTEINワコーズKRP☆DC5を駆る、小林康一/塩谷烈州/木下淳組の優勝を許しても7位でフィニッシュすればいいのだから。これで植松組は予選もトップであれば、ひとつ順位のハードルが下がる。
ともに連覇がかかっているが、それはすなわちタイトルの獲り方を知っているということ。勝って決めたい……、そんな思いをあえて封印してでも、確実に条件をクリアしにくるのではないだろうか。リタイアだけは禁物であることを、大いに理解しているだけに。
ST-3のチャンピオンは有終の美を飾れるか?
すでにチャンピオンの決まっているST-3クラスも、見応えを欠くことはない。開幕4連勝であっさり08年以来の栄冠を手にした、#35 asset ings Z34の前嶋秀司組ながら、前回のレースで凱旋ならず、そればかりか始まって間もなくのABSトラブルで本領を発揮できずに終わっている。
一方、このレースで、圧倒的な速さを見せたのは、#39 TRACY SPORTS TWS C-WEST IS350の佐藤晋也/鶴田和弥/神子島みか組。スタートから一気にポジションを上げ、それから間もなくトップにも。速さを最後まで維持し、初優勝を飾ったかと思われた。しかし、レース後に、エアフィルターに水抜き用の穴が開けられているのが発覚。「パフォーマンスに影響を及ぼすことではないと聞いています」という佐藤の言葉を信じたいが、残念ながら違反は違反。
というわけで、前嶋組にも、佐藤組にも今回はしっかりと雪辱を果たして欲しいもの。そして、久々の優勝を飾った、#14 岡部自動車サントラント195マイカーズZ33の山崎学/伊橋勲/安宅光徳組には、もちろん連勝の期待もかかる。
今回は3時間レースとして争われ、予選は11月8日(土)の14時30分から、決勝レースは、9日(日)の13時30分から行われる。オートポリスでのスーパー耐久は、今年で3回目となるが、過去2回はいずれも悪天候に見舞われ、レースが短縮されてしまっている。今年こそすっきりしたコンディションの下で、激しいバトルが繰り広げられることだろう。
(はた☆なおゆき)