SUPER TAIKYU

RACES ARCHIVE 2015

REPORT

予選レポート

KSF Direction Racing GT3Rが、初のPPを獲得する

 ツインリンクもてぎを舞台とする、スーパー耐久シリーズ第1戦の予選が3月28日(土)に行われ、最速タイムは#16 REAF REAL ESTATE KiiVA BMWを駆る片岡龍也が記した1分50秒774で、従来のレコードタイムをコンマ8秒も短縮した。しかし、AドライバーとBドライバーの合算タイムでは、飯田太陽/小林崇志/Tetsuo Ogino/高木真一組の#32 KSF Direction Racing GT3Rがトップとなり、チームとして初のポールポジションを獲得することになった。

最速タイムはREAF REAL ESTATE KiiVA BMWの片岡龍也が記すも……

 澄み渡った空の下、2015年のスーパー耐久がツインリンクもてぎで、いよいよスタートを切った。金曜日に行われた3セッションの専有走行で、トップタイムをマークしたのは、#5 MACH MAKERS GT-Rの青木孝行。1分52秒499を記した一方で「予選のターゲットは51秒の前半」と。さらに青木は「新しい体制の旗揚げレースなんで、ポールを獲って景気づけにしたいですね」と語っていた。だが、土曜日の早朝に行われたウォームアップ走行で#5 MACH MAKERS GT-Rはミッション不調に見舞われ、わずか4周しか走行できず。予選に向けて、不安を残してしまう。

 今年からST-Xクラスは、Aドライバー予選でジェントルマンドライバーが走ることに。それぞれ僅差で並ぶ中、トップタイム、52秒871を#32 KSF Direction Racing GT3Rの飯田が記し、これに#3 ENDLESS ADVAN BMWのYUKE TANIGUCHIが続いた。そして、3番手は#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの星野敏が獲得する。


 続くBドライバー予選にはプラチナドライバーも登場。ここでいきなり驚速タイム、50秒774を記したのが#16 REAF REAL ESTATE KiiVA BMWの片岡だ。2番手の#5 MACH MAKERS GT-Rの青木以下が51秒台で、しかも僅差で並ぶ中、頭ひとつ抜け出すことに。しかし、「いちばんアタックしたかった周にスピン車両がいて、1周ずれ込んじゃったのと、セクター1が自分としては完璧じゃなかったので、もうちょい出たなぁと。むしろ意外に、まわりとのタイム差があったので、ビックリしましたね」と片岡。

 だが、合算タイムでは#16 REAF REAL ESTATE KiiVA BMWは3番手に留まり、ポールポジションを獲得したのは#32 KSF Direction Racing GT3R。この間に星野と藤井誠暢がアタックした#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが割って入るも、「新品のローター、パッドで走ったので、51秒1はいけたはず」と藤井は残念そうに語っていた。また、#3 ENDLESS ADVAN BMWはエキゾーストマニホールドの破損により、峰尾恭輔がBドライバー予選を走ることができなかった。

ST-2クラスのチャンピオンチーム、ニューマシンでいきなりトップに!

 ST-2クラスのAドライバー予選では、#31 HASEPRO RACING LANCER EVOLUTION Xの朝倉貴志がトップに。これに#20 RSオガワADVANランサーの下垣和也、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学が、同じ2分4秒台の僅差で並んでいた。そんな状況の中、決着はBドライバー予選でついた。#59 DAMD MOTUL ED WRX STIを駆る松田晃司が、3秒315をマーク。#20 RSオガワADVANランサーの小林且雄が3秒591で続くも、合算タイムではコンマ1秒差で#59 DAMD MOTUL ED WRX STIが上回り、ニューマシンを投入したチャンピオンチームがST-2クラスのトップに立つこととなった。

 同じような状況は、ST-3クラスにも見られた。Aドライバーのトップは2連覇を目指す、#34 assetテクノZ34の前嶋秀司が獲得するが、Bドライバーのパートナー、佐々木雅弘は2番手に。合算タイムではトップながら、最速タイムは#38ムータレーシングTWS IS350のBドライバー、阪口良平に奪われてしまう。3秒342を記した阪口に対し、コンマ5秒もの差をつけられた佐々木からは、いつもの饒舌ぶりは失せていた。#38ムータレーシングTWS IS350に続いたのは、#39 SARD Racing IS350だった。

ST-5クラスでもレコードタイムが、1秒半も短縮される!

 ST-4クラスではドライバーの顔ぶれこそ改められたが、3連覇の期待がかかる#41 TEAM HERO’S×TRACY SPORTS ings S2000が、相変わらずの速さを見せてトップに。Aドライバーの鶴田和弥は8秒590をマークして、このセッションではほぼ1秒のマージンを得る。Bドライバーセッションでは、パートナーからの強烈なプレッシャーに屈することなく、9秒634を吉田靖之が記録。トップこそ#86 GAZOO Racing SPIRIT 86の井口卓人に譲ったものの、コンマ1秒差に留めたこともあって、合算タイムでも他を圧していた。2番手は番場琢と服部尚貴がアタックした#52埼玉トヨペットGreen Brave 86が獲得し、#86 GAZOO Racing SPIRIT 86を従えた。

 そして、5クラスで唯一、A、B両ドライバーともにトップだったのがST-5クラス。#69 BRP☆J’S RACINGフィットの大野尊久が17秒705をマークして、従来のレコードを1秒以上も縮めたが、パートナーの井入宏之がさらに17秒453にまで短縮して見せたのだ。今年からBRP☆J’S RACINGはフィット3の2台体制に改め、#19 BRP☆J’S RACINGフィットの古宮正信と奥村浩一がニューマシンで2番手に。一方、注目のディーゼルターボを積む、#17DXLアラゴスタNOPROデミオSKY-Dは、熟成がまだ進んでいないこともあって、最下位に留まることとなった。

ST-Xクラストップ(ポールポジション)#32 KSF Direction Racing GT3R

飯田太陽

「実はポールポジションは初めてなんですよ。今年からST-XクラスのAドライバー予選は、ジェントルマンドライバーが走ることになって、そのことを皆さん理解してくれたようで、きっちり譲ってくれました。それで思いどおりの走りができたのが大きいですね。決勝もみんなで力を合わせて、頑張ります」

小林崇志

「ポールポジションということでポイントが獲れました。チームとしても初めてのポールポジションで、飯田選手がAドライバー予選でいいタイム出してくれたので、僕はその貯金をちょっと食いつぶしちゃいましたけれど、結果としてポールというところはすごく良かったと思います。決勝のペースは、飯田さんもOGINOさんも速いですし、僕もロングはしっかりタイムが出せると思うので、優勝する可能性は十分あるはずです。明日はちょっと天候が分かりませんが、しっかり作戦を考えて勝てるようにしたいです。雨に対しての不安はありません」

ST-2クラストップ #59 DAMD MOTUL ED WRX STI

大澤学

「正直言って1戦目からポールが獲れるとは思っていなかったので、嬉しいですね。クルマはシェイクダウンを終えたばかりなので、それらしいトラブルが出たり、足のセットまで手が回っていなかったりするところもあるんですが、ポテンシャルは高いと思います。デビューウィンとなれば、もっと嬉しいですけど、まずは完走を目指して、それに結果がついてくれば最高ですね」

松田晃司

「新型のWRXのデビュー戦なので、まずは完走が目標。だから予選もめいっぱい行ったんですけど、その過程でポールポジションが獲れただけでね。明日はとにかく、クルマをいたわりながら完走したい。2か月ぐらいクルマの製作にメカニックが頑張ってくれているので、その思いに僕らが応えなくてはいけないので、そういうことになればいいですね」

ST-3クラストップ #34 asset テクノZ34

前嶋秀司

「昨日、ミッションにトラブルが起きたけれど、今日は問題なく、完璧でした。いい感じでクリアとれた時に、GT3車両にイン入られちゃって……。一発だけだったの で、帰って来いと。しかも自分としては珍しい、シフトミスしているんですよ。それであのタイム差だったら、まぁいいかなと。本人的には。今回はちょっと手堅くいきたいかな。新人じゃないけど、若いのをふたり、うまく使っていければ、いい感じでいけられるんじゃないかな」

佐々木雅弘

「(阪口)良平くんがすごく速いので、負けちゃいました。去年の前嶋さんと僕の手で作られているクルマなので信頼性もあるし、決勝では勝てるように頑張ろうと思っています」

ST-4クラストップ #41 TEAM HERO’S×TRACY SPORTS ings S2000

鶴田和弥

「僕はもてぎでレースを始めたので、何としてでもポールが獲りたかったんです。まさに会心の走りで、あれだけの走りは、もう絶対に無理です(笑)。S2000はブレーキがきついので、決勝では淡々と。最初は行かれてもいいので、そこそこに走っていれば最後に優勝を狙えるかな、と思っています」

吉田靖之

「Aドライバーがすごいタイム出すので、プレッシャーがかかりましたが意外に走り出したら『行けるなぁ』って思って頑張りました。決勝は、チーム監督やエンジニアと相談して順番決めて、逃げていきたいと思っています」

ST-5クラストップ #69 BRP☆J’S RACINGフィット

大野尊久

「もてぎに来る前に岡山でテストをやってきたんですよ。その成果が出たと思います。このクルマは去年からのクルマで、足まわりをもっと煮詰めました。今年は井入大先生が加入していますので、かなり楽……って言ったら失礼ですけど、かなりセットが進みましたし、すごくいい空気が流れている感じです」

井入宏之

「クルマがうまいこと仕上がったので、相方の出したレコードもすぐ更新できました。でも、どっちかと言うと、クルマは決勝想定で作っているので、その割には一発も出たかな、という感じです。どちらかというと明日メインで考えています。土曜日はうまくいったので、もっと明日もうまいこと行けるように、もうちょっと考えてみたいと思います」

 

(はた☆なおゆき)

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