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REPORT

第2戦プレビュー

決勝が2回で、お楽しみは2倍、いやそれ以上?

 スポーツランドSUGOが舞台となるスーパー耐久シリーズ第2戦は、決勝レースを2グループに分けて開催する。土曜日にST-4クラスとST-5クラスによるグループ2の、日曜日にST-X、ST-1〜3クラスによるグループ1の、それぞれのバトルが繰り広げられるというわけだ。

主役の座を射止めた、ST-4クラスの激しいバトルに注目!

「半分に分けたら、寂しくなったり、つまらなくなったりしない?」という声には、それはまったくないと答えたい。そもそもエントリーが60台なのだから、グループ1が4クラス合わせて24台、グループ2は2クラス合わせて36台だから、確かに目の前を通過する頻度は低下するが、それでも十分に台数は多いと言えるだろう。また、つまらなくなるのではなく、むしろ面白くなるとも断言したい。

 これまでもスーパー耐久では、随所で激しいバトルが繰り広げられていた。しかし、6クラスもあると、総合優勝を争うST-Xクラスならともかく、埋もれてしまうことも少なからずあり、また他のクラスの車両が間に入ったことで、差が開いてしまうことも往々にしてあった。そのあたりが分かりやすくなるし、何より速度差の抑制により、安全性は飛躍的に高まるだろう。スペクタルなシーンを望む方には、物足りなさも感じるだろうが、それは少数派だと思いたい。また、他のクラスの車両を抜いたり、譲ったりする回数が減ることで、これまでと同じ3時間レースであっても今までよりも周回数も延びるはずだ。

 そして、何よりST-4クラスがグループ2の総合優勝を争うことになり、主役を張れるようになるメリットははかり知れない。たとえば、こんなシーンはいかがだろう。「おおっ、織戸が脇阪のインを刺した〜。そのバトルの間に、井口も差を詰めてきたぞ。おっと、この周ファステストラップを記録したのは元嶋だぁ」という……。近頃はGTドライバーも増えてきたST-4クラスだけに、目立ってナンボの激しいトップ争いを、必ずや披露してくれるはずだ。

レジェンドのコンビ復活を、強力助っ人がバックアップ!

 ということを書いていた矢先に、緊急情報が。エントリーリストでCUSCO RACINGから山田英二と木下隆之が出場することに気づいた方もおられるだろうが、Cドライバーとして大嶋和也が加わることが急きょ決定。今後は石浦宏明も加わるとの情報が! ただ、多くの方がフレッシュな豪華助っ人に注目するだろうが、筆者ならずとも古くからのファンであれば、S耐レジェンドのコンビ復活を喜んでいるのではないか。山田と木下がコンビを組んで、ZEXELスカイラインを走らせていたのは92年からの2年間。その後、03年にもスーパーGTで組んで、バイパーでGT300を制しているのだが、S耐的には23年ぶりのコンビ復活となる。

 ただし、当時はこのコンビ、決して相性は良くなく、シリーズ最多53勝を挙げている木下ながら、この2年間はたった1勝しか挙げていない……。

ENDLESS ADVAN 86にW連勝の期待

 さて、開幕戦のST-4クラスを制したENDLESS ADVAN 86の村田信博/小河諒/元嶋佑弥組は、ST-4クラスが2000cc以下の車両で争われるようになった01年以来、もてぎでは負け知らずだったホンダ車の牙城をトヨタ車で崩したのは、ご存知のとおり。トヨタ86がSUGOを得意とするが、中でもENDLESS ADVAN 86は2年連続で優勝している、まさに聖地なのである。果たしてW連勝を飾れるか注目したい。

 一方、前回は何度もトップが入れ替わっていたST-5クラス。どれだけ壮絶なバトルを繰り広げているか理解してもらえるだけでも、2グループに分けられる価値があるというもの。だが、最後に笑ったのは、BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITの大野尊久/梅本淳一/窪田俊浩組だった。周囲のハイペースにかく乱されることなく、自分たちのペースを貫いて勝つのは、やはり王者の貫禄か。昨年は唯一敗北を喫したSUGOで、全コース制覇を誓う。

この先も続くかGT-Rの快進撃、488の秘めたるポテンシャルやいかに?

 開幕戦では、ST-XクラスでニッサンGT-R勢が表彰台を独占。昨年の速いが、壊れるというイメージを払拭した。昨年は3台すべて14年仕様のまま、アップデートせずにいたのに対し、今年は新車のENDLESS ADVAN GT-Rも含め、すべてアップデートしており、その効果もあったということなのだろう。スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田優大/藤井誠暢/平峰一貴組は、果たして連勝を飾れるか。

 最大の対抗馬になりそうなのが、Hub Auto Ferrari 488 GT3のモーリス・チェン/吉本大樹/坂本祐也組。488は空力に優れ、ハイダウンフォースが自慢とされ、となればテクニカルコースのSUGOにピタリとマッチしそう。前回は序盤にコースアウトなどがあり、遅れを取ってしまったものの、ノートラブルで走りきった時、どのあたりにいるのか大いに注目したい。

 ST-1クラスは、D’station Persche 991の星野敏/荒聖治組の孤軍奮闘になってしまったのが残念。もっとも、もともとのテーマが荒の指導の下、星野がどれだけ自分を磨き上げるかだから、こんな状況も納得済のはず。ST-Xクラスを一台でも食えれば、成果ありということになるだろう。

 ST-2クラスもSUGOは、DAMD MOTULED WRX STIとの相性は良く、昨年も制していれば、一昨年もインプレッサで勝っているコースだ。大澤学の新パートナー、後藤比東至もまず1勝を挙げて一安心。慣れるレースから、これからは攻めるレースに挑んでいくことだろう。

 一方、ホームコースで笑う小川日出生監督をそろそろ見たい。昨年の開幕戦以来、辛酸をなめ続けているだけに……。下垣和也/松本武士/近藤説秀組のRSオガワADVANランサーの仕上がり次第とも言えるだろうが、同時に福島出身の大橋正澄もまた、ホームコースでの勝利を渇望しているはず。冨桝朋広と菊地靖とともに走らせる、新菱オートDIXCELエボXの力走にも注目したい。

 そして、ST-3クラスでは前嶋秀司/佐々木雅弘/佐藤公哉組がSUGOとの相性が抜群。2年連続でフェアレディZ34を駆り、優勝を飾っている。昨年の途中からRC350にスイッチしているのでSUGOでは初レースとなるが、そう不安はないはずだ。そんなassetテクノRC350の、最大の対抗馬はやはりDENSO Le Beausset RC350の嵯峨宏紀/中山雄一組か。それとも前回の優勝で意気上がる、MUTA Racing TWS IS350の堀田誠/阪口良平組か。いずれにせよ、激しいバトルは大歓迎。序盤に阪口を逃がさぬことが、最大のポイントとなりそうだ。

 

(はた☆なおゆき)

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