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REPORT

第3戦プレビュー

セカンドチャンス100とナイトチェッカーが、一味違うS耐を演出する?

 25周年のスーパー耐久シリーズは、鈴鹿サーキットが舞台の第3戦で、新たなレースシステムを導入することとなった。その名もSUZUKA ”S耐” サバイバル! 予選と決勝の間に、セカンドチャンス100と銘打たれた、敗者復活戦が設けられることになったのだ。

16台が振り落とされる過酷な戦い

 通常は予選を行ってスターティンググリッドを決めるが、ST-2〜5クラスに関しては無条件に決勝進出を許されるのは、上位3チームのみ。4番手以下のチームは、セカンドチャンス100に出場しなくてはならないのだ。現状、エントリーは61台。このうちST-Xクラスの11台とST-1クラスの1台は、予選基準タイムをクリアすることを条件に決勝進出を許されるため、残る33台分のグリッドを49台で競うこととなる。

 按分比例による勝ち上がり台数は、ST-2クラスが1台、ST-3クラスが2台、ST-4クラスが13台、ST-5クラスが5台ということに。ただ、これが絶対というわけではない。もし、参加取り消しや、金曜日の専有走行でトラブルが生じてリタイアがあれば、勝ち上がり台数にも当然変更が。また、ST-XクラスとST-1クラスとて基準タイムクリアが条件だから、AドライバーかBドライバーのいずれかが出走できず、となれば、また変更されるからだ。

 とはいえ、すべてのクラスにおいて、セカンドチャンス100が難関であるのは間違いない。確実に言えることはリタイア厳禁! ライバルに塩を贈るも、同然だからだ。さらに戦術も重要になってくる。100分はすなわち1時間40分。セカンドチャンス100も2回のドライバー交代を伴うピットストップが義務づけられるが、きっちり1/3に分けて走ることはまずあり得まい。スタート時に満タンにしておけば、1ストップで十分走れる時間だし、ST-4クラスにいたってはノンストップでも大丈夫なぐらい。そのあたりをどうとらえるか?

 逆に燃料少なめで、軽い状態にして飛ばしに飛ばす作戦も有効だろう。その上で、ドライバー交代のロスタイムに合わせた給油を行うとか。とにかくドライバーひとりの合計走行時間が2/3、すなわち66分を超えなければいいだけに、戦術の幅はグッと広がり、同時にピットのロスが大きく響く戦いになるのは間違いない。さらにセーフティカーでも入ろうものなら! 何はともあれ、日曜日の決勝よりも熾烈な争いになる可能性も高そうだ。

幻想的なナイトチェッカーに注目

 今回は4時間レースで、スタートは3時15分。ということは7時15分過ぎにレースは終了ということになる。この時期の日没は7時とあって、夕闇の中でチェッカーフラッグが振られることとなった。そういった光景は、鈴鹿の四輪レースにおいてスーパーGTによるインターナショナル1000kmでしか、今までは見られなかったわけだが、その機会は今年2回に。その幻想的な光景は台数が多く、オーバーテイクシーンも頻繁に見られるスーパー耐久だからこそ、光が重なる光景はかなり幻想的であるはずだ。ちょっとしたエレクトロニックパレード、といったら言い過ぎかもしれないが、それに近いことは間違いない。

 一方、ドライバーにしてみれば、疲労もたまってきたところで徐々に暗くなり、視界も遮られる中での走行に、リスクも生じるかもしれない。特にフラッグの見逃しには注意して欲しいものだ。

連勝飾るは、すでに3チームのみに……

 今年のスーパー耐久は、戦国乱世の予感がしてならない。まだ2戦を終えたに過ぎないが、連勝を飾っているのは、もう6クラス中3クラスでしかないからだ。そのひとつが、ST-Xクラスの#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R。藤井誠暢をエースとすることでは従来どおりながら、今年からパートナーが内田優大、平峰一貴に改まったものの、チームワークは抜群。それぞれミスの少ない、完璧なリレーを2戦ともに披露した。

 ST-3クラスで連勝を飾っているのは、#38 MUTA Racing TWS IS350を駆る堀田誠/阪口良平組。絶対的な信頼関係が自慢のコンビは、これまでも阪口がスタートから逃げまくって、大量のマージンを作る展開を見せてきた。今年は、それを受け継ぐ堀田にミスが極めて少なく、トップをキープしたまま阪口に返せるようになったのが、昨年までとの最大の違い。前回は終盤にタイヤトラブルを抱えても逃げ切れただけに、今や隙が見えないといっても過言ではないほど。

 そして、もうひとつはST-4クラスの#13 ENDLESS ADVAN 86だ。ベテラン村田信博が、若手の小河諒と元嶋佑弥の持ち味を引き出せるよう、理想的な環境を整えているのが最大の強み。セットを完璧に決めてくれるばかりか、さらに的確なフィードバックが村田からあるため、「僕らは速く走ることだけに専念できる」と小河は語るほど。

 これら3チームがどこまで連勝を伸ばすか注目される一方で、歯止めをかけるチームが現れれば、タイトル争いは最後まで激しく盛り上がることだろう。逆に他のクラスには、そうなりそうな予感がすでに十分! 前回は久々の優勝があれば、初優勝もあって大いに盛り上がりを見せただけに、今回もまた新たな勝ち名乗りを挙げるチームの登場を心待ちにしたい。

 

(はた☆なおゆき)

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