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REPORT

セカンドチャンス100レポート

初実施のセカンドチャンス100で、最初にチェッカーを
岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34が受ける!

 スーパー耐久シリーズは、鈴鹿サーキットが舞台のシリーズ第3戦で初の試みとなる、「セカンドチャンス100」を実施。ST-XクラスとST-1クラスを除く、4クラスの予選4番手以下による、敗者復活戦を100分間に渡って行った。按分比例によってあらかじめ定められた順位以内でないと、決勝進出を許されぬハードな戦いを制したのは、#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34を駆る、長島正明/田中徹/田中哲也組だった。

 予選が終わって4時間あまり。注目のセカンドチャンス100が行われた。そのスタート進行の開始と併せ、15分間のウォームアップが行われてCドライバーが走行。準備が整えられたところで、ST-Xクラスの10台とST-1クラスの1台、そしてST-2クラスからST-5クラスの予選上位3チームを除く、36台がスターティンググリッドに並べられた。決勝進出の条件は、ST-2クラスが1位のみ、ST-3クラスが3位まで、ST-4クラスが13位まで、そしてST-5クラスが5位までとされていた。

 スタートと同時に鋭いダッシュを決めたのは、#68 埼玉トヨペットGBマークX G’sの番場琢。フロントローに並んでいた#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の田中徹、#34 assetテクノZ34の前嶋秀司の間をすり抜けていき、オープニングラップのうちにトップに立つ。そのまま番場は逃げ続けていったが、10周目にセーフティカーが。ST-2クラスの車両が1〜2コーナーにオイルを激しく巻いてしまったためだ。

 不運にも、番場と3番手を走る前嶋は、その1周前にピットイン。逆に#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34はSCが入ったのを見届けてから、長島に交代する。そして、レースが残り2/3を切った13周目に長島から田中哲也にスイッチ。そのままゴールまで走り切れるギリギリのタイミングではあったが、これが最大の勝因に。そして、残り55分となった15周目からレースは再開すぐに#68 埼玉トヨペットGBマークX G’sの服部尚貴と#34 assetテクノRC350の佐々木雅弘はピットに入らず、そのまま激しくトップを争い合う。

 ところが、19周目のデグナーで佐々木はブレーキトラブルによってクラッシュし、無念のリタイアを喫してしまう。さらに服部には田中哲也が激しく迫り、一時は15秒以上あった差を25周目には5秒を切るまでに。やむなく服部は26周目にピットに戻り、再び番場にステアリングを託すことになる。その間に大原学、輿水敏明、甲野将弥の順で交代を済ませていた、#23 岡部自動車ゼロサンMBFネットワークスZ34の先行を許すも、すでに後続との差は十分にあったため、無事決勝進出を#68 埼玉トヨペットGB マークX G’sは果たすこととなった。

 ST−2クラスでは、ST-3クラス勢の先行を許していたとはいえ、クラスではトップを快走していた福山英朗/三笠雄一/伊藤勝一組の#30 RSオガワEVO IX。SCラン中に2回ともドライバー交代を行い、盤石かと思われたものの、連続乗車時間を見誤ってしまう。ここで抱えたロスはあまりにも大きく、#505 ビズキューブレーシングランサーXの田ヶ原章蔵/岡本武之/藤原能成組の逃げ切りを許したばかりか、決勝進出もかなわなかった。

 ST-4クラスでは前回2位の#55 Sun Oasisネッツトヨタ埼玉86のたしろじゅん、そして#13 ENDLESS ADVAN 86の元嶋佑弥による、激しいつばぜり合いからレースは開始された。逆にひとつ順位を落としこそしたが、それを静観していたのが#58 ウィンマックステインワコーズDC5☆KRPの小林康一だった。早めに勝負を賭けて、5周目には塩谷烈州に交代。さらにSCランの最中の12周目、ST-4クラスでは1/3を経過したタイミングに蘇武喜和と代わって、あとはライバルの動向を待つことに。そして、ほとんどのチームがSCラン中に2回のピットストップを済ます中、あえて1回のみで、SCラン明けにトップに立っていたのは、織戸学からバトンを託されていた松井仁志が駆る#100 アミューズSPV 86で、#55 Sun Oasisネッツトヨタ埼玉86の小野田貴俊が、これを追いかける展開に。小野田は19周目にトップに立ち、松井とともにすでにドライバー交代をすべて終えているチームとの間にギャップを作ろうとしたが、もちろん十分ではなく……。

 33周目にすべてのチームがドライバー交代を済ませると、トップに立っていたのは#58 ウィンマックステインワコーズDC5☆KRPの蘇武。だが、再び#100 アミューズSPV 86の織戸、#55 Sun Oasisネッツトヨタ埼玉86のたしろは、3番手、4番手には踏み留まっており、それどころか#13 ENDLESS ADVAN 86の村田信博に急接近することに。ゴール間際には三つ巴の2番手争いが盛り上がり、まず37周目に織戸が村田をかわし、最終ラップにはたしろも3番手に浮上して、チェッカーを受けることとなった。

 ST-5クラスでは、5番手スタートの#17 DXLアラゴスタ・NORPOデミオSKY-Dが、早々と2周目には野上達也から谷川達也にスイッチ。自慢の好燃費と視界が開けたところで走り続けて、どこまで順位を上げてくるか注目された。オープニングラップのうちにトップに立っていたのは、#66 odula MAZDAデミオ15MBのヒロボンだったが、3周目に#88 村上モータースMAZDAロードスターNDの筒井克彦の先行を許してからは、ペースを思うように上げられず。そればかりか、9周目にはピットで無念のリタイアを余儀なくされる。

 そこからの#88 村上モータースMAZDAロードスターNDは筒井、そして村上博幸と脇谷猛とともにまったく危なげない走りを見せ続ける。予選では燃料系トラブルやコースアウトもあって、セカンドチャンス100行きとなったものの、本来の実力はこんなものだと、まるで見せつけるかのように。そして、井上恵一への交代を最後まで遅らせていた、#46 DIJONエンドレスワコーズNILZZ FITの富田竜一郎が、31周目にピットに入ると再びトップに立つことに。そして2番手に浮上していたのも、#17 DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-Dの井尻薫だった。まさに作戦は大成功、決勝進出を果たすこととなった。#46 DIJONエンドレスワコーズNILZZ FITは3位に。

総合優勝(ST-3クラストップ)#15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34

長島正明

「何よりも嬉しいのは、3台揃って決勝に行けること。でも、いちばんのポイントは服部尚貴とだいぶ差が空いていたのを自分が乗った時に、テール・トゥ・ノーズにまで詰めたこと。あのSCランの長島の走りがすべてですね(笑)。冗談ですけど。でも、嬉しい。決勝でも3台で頑張ります!」

田中哲也

「とりあえずロングのテストもしておきたかったので、ちょうど良かった! もともとの作戦どおりというか、ああなったら、こうやろうと考えていて良かったです。何もなかったら、正攻法で行こうと思いましたが、こういう展開の中で非常にうまくいきました」

 

(はた☆なおゆき)

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